2018 Fiscal Year Research-status Report
サイクロフィリンDノックアウトマウスによる敗血症関連脳症のミトコンドリア分子解析
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17K16757
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
魚島 直美 東京医科大学, 医学部, 助教 (20792211)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 敗血症関連脳症 / サイクロフィリンD |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、我々のこれまでの虚血性神経細胞死のメカニズム解析ならびにSAEに対するMPTPに伴うミトコンドリア機能不全の役割解析研究の結果を基盤として、SAEの脳障害発症機序の中心として活性酸素種を起因としたMPTPに伴う脳ミトコンドリア機能不全に焦点を置き、SAEの実態を活性酸素種(Reactive Oxygen Species:ROS)により活性化されるBcl family とMPTPを制御するミトコンドリアpeptidyl prolyl isomerase(Ppi)のCyclophilin Dを機軸とした情報伝達系の連関解析に展開することを目的としている。 前年度に引き続き,第6-8週齢の雄性WT C57BL/6マウス(WTマウス)およびCyclophilin D遺伝子欠損(Ppif-/-)マウスを用いて盲腸結紮穿孔法、Cecal ligation and puncture; CLP)による敗血症関連脳症モデル(SAEモデルマウス)の作成は安定して行えるようになった。 WTマウスとSAEモデルマウスの死亡率を比較したところ,SAEモデルマウスの死亡率が低い傾向が認められた。その原因や関連するサイトカインやたんぱくについて研究していく予定である。またサイクロフィリンDはMPTPに関与することから,ミトコンドリア呼吸鎖での働きも検討していく予定である。 当該年度に産休および育児休業を取得したため研究はそれ以上行えていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当該年度に産休および育児休業を取得したため研究は行えていない。 育児休業終了後は研究を順次進めていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
サイクロフィリンDノックアウトマウスの安定供給が可能になったため,サイクロフィリンDノックアウトマウスを用いて敗血症関連脳症に関係すると考えられるBcl family(Bax,Bak,Bcl-2等),TNFα,IL-6,cytochrome c,caspase3などのサイトカインの発現を比較する。また、apoptosis/necrosisと脳内Cyclophilin D発現の変動をCelestine blue and acid fuchsin染色、HE染色と免疫染色にて検討し、SAEが、Bcl family-MPTP分子間相互作用を介したサイトカイン発現およびapoptosis/necrosis誘導に及ぼす影響とその役割を解析する。 さらにミトコンドリア分画を抽出しMir05 bufferに加えてOROBOROS Oxygraph-2kを用いてミトコンドリアの呼吸鎖の機能を測定し,Cyclophilin Dの発現によってSAEが脳MPTP与える影響を解析する予定である。 またROS抑制作用のあるEdaravone (10 mg/kg i.p.)を投与し,Bcl family(Bax,Bak,Bcl-2等),TNFα,IL-6,cytochrome c,caspase3などのサイトカインの発現を比較する。また、apoptosis/necrosisと脳内Cyclophilin D発現の変動をCelestine blue and acid fuchsin染色、HE染色と免疫染色にて検討する予定である。
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Causes of Carryover |
当該年度に産休および育児休業を取得したため研究を行えていない。 研究再開後は研究計画に沿って実験を行っていく予定である。
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