2019 Fiscal Year Annual Research Report
the correlation of serotonin receptor and bladder remodeling in clinical stage of partial bladder outlet obstruction
Project/Area Number |
17K16767
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
垣渕 由岐子 山梨大学, 大学院総合研究部, 臨床助教 (70735183)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 下部尿路閉塞膀胱 / 膀胱虚血 / 膀胱リモデリング / 日内リズム / 夜間頻尿 / α1ブロッカー |
Outline of Annual Research Achievements |
今回、長期の部分的下部尿路閉塞膀胱(pBOO)での膀胱機能変化とセロトニン(5-HT)受容体との関連において、長期的α1ブロッカー投与がpBOOマウスの排尿に与える影響を検討した。 pBOO手術を施していない群(intact群)、開腹、尿道確保のみ施行した群(sham群)、pBOO手術を施した群(pBOO群)、pBOO手術施行後にα1ブロッカーであるナフトピジルを投与した群(pBOO+NAF群)の4群間(n=7)で検討した。明期の排尿回数、排尿量を測定し、膀胱組織において、コラーゲンⅠ、コラーゲンⅢ、5-HT2A受容体、コラーゲン分解酵素であるMMP9、MMPを不活化するTIMP1,TIMP2のmRNAの発現をみた。 手術後6か月後にて、排尿回数に差はなかった。pBOO群において、intact群,sham群に比べ明期の排尿回数の増加と明期の排尿量の有意な減少がみられた。また、pBOO群に比べpBOO+NAF群で明期の排尿回数が有意に減少した。intact群に比べpBOO群ではコラーゲンⅠ、コラーゲンⅢ、5-HT2A,TIMP1,TIMP2のmRNAの発現が有意に増加し、MMP9の発現は有意に低下した。また、pBOO群に比べ、pBOO+NAF群では、5-HT2A及びTIMP2のmRNAの発現レベルが有意に低下した。 今回、pBOOで5-HT2Aの増加がみられ、ナフトピジル投与で打ち消された。これは、前立腺肥大症にてナフトピジルが蓄尿症状を緩和する機序の一つと考える。しかし、ナフトピジル投与はコラーゲン発現を低下させず、ナフトピジルの長期的な効果として、形態学的ではなく機能的変化を起こすと考えられる。 以上より、pBOOマウスにおいて、長期的なα1ブロッカーの投与は排尿パターンを逆転させ、5-HT受容体の発現を低下させた。この結果はpBOOでの膀胱機能障害の新たな治療の端緒となりうる。
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Research Products
(3 results)