2017 Fiscal Year Research-status Report
Development of glycan markers for evaluation of prostate cancer malignancy
Project/Area Number |
17K16768
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
小島 由太 弘前大学, 医学研究科, 客員研究員 (00792334)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 前立腺癌 / 悪性度評価 / 糖鎖性マーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
前立腺がんは本邦で2015 年に部位別罹患率が1位となり、今後さらに増加すると考えられる。過剰治療が問題となっており、前立腺がん鑑別だけでなく悪性度を正確に反映するバイオマーカーの必要性が高まっている。近年、尿中の糖転移酵素の発現検出やレクチン-抗体法による血清PSA のがん性糖鎖変異の特異的検出法が前立腺がんの鑑別および悪性度評価に寄与する可能性が示されている。本研究では、糖転移酵素GCNT1 と疾患特異的な組換えレクチンをプリントしたハイブリッドアレイパネルを樹立し、前立腺がんの鑑別と悪性度を同時評価可能な新たなバイオマーカーとなりうるかを検証することを目的とする。平成29年度は、抗GCNT1モノクローナル抗体を固定化したアレイによる前立腺圧出尿中のGCNT1の検出法の構築および組換えレクチンアレイによるPSAのがん性糖鎖構造変異の検出法の構築を試みたが、現時点で抗GCNT1モノクローナル抗体固定化アレイの確立には至っていない。また組換えレクチンアレイによるPSA のがん性糖鎖構造変異の検出法に関して、高濃度(50 ng/mL)の血清糖鎖変異PSAを検出可能であったが、グレーゾーン(PSA 4-10 ng/mL)の濃度域では、レクチンアレイ装置の最低検出感度以下であり、検出できなかった。装置の検出感度の問題を克服するため、よりPSAが多く含まれている前立腺圧出尿中を検体として用いた結果、前立腺圧出尿中のPSA糖鎖変異を組換えレクチンアレイで検出することが可能となり、前立腺癌診断およびの悪性度評価に有用なレクチンの組み合わせを発見した。これらの研究成果を今後日本、欧州、および米国の各泌尿器科学会で発表を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H29年度の研究実施計画である 1. 抗GCNT1モノクローナル抗体を固定化したアレイによる前立腺圧出尿中のGCNT1の検出法の構築 2. 組換えレクチンアレイによるPSAのがん性糖鎖構造変異の検出法の構築 上記の計画のうち、1が当初の予定通り進捗していない。2については、検体の対象を前立腺圧出尿中のPSAとすることで目的とする検出法の構築の目処がたったため、概ね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り、順調に進んだどちらか一方を選択することから、今後は、2の計画を中心に検討を進め、前立腺圧出尿を検体としレクチンアレイによるPSAのがん性糖鎖構造変異の検出法により、前立腺癌の鑑別および悪性度を評価する方法の開発を進める。
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