2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K16780
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
今村 有佑 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (10568629)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 去勢抵抗性前立腺癌 / 新規薬剤の治療効果比較 |
Outline of Annual Research Achievements |
進行癌である去勢抵抗性前立腺癌(Castration-Resistant Prostate Cancer;CRPC)のメカニズムとして、アンドロゲン受容体(Androgen Receptor;AR)のリガ ンド結合部位(Ligand-binding domain;LBD)が欠失したSplice Variants の発現増加が注目されている。近年、ARのN末端に直接結合し、このSplice Variants 含めあらゆるARを阻害可能な新規薬剤が開発され(EPI-506)、北米で臨床試験が行われている。本研究では、主にこのEPIと同等あるいはそれ以上の阻害効果が期待できる類似化合物(I-EPI)の治療効果を、動物実験をもとに比較・解析し、今後の臨床応用が可能かどうか模索することが目的である。本申請者は、カナダ留学中(BC Cancer Agency Genome Sciences Centre;2013-2016年)にEPIのヨード化により(I-EPI)、オリジナルの薬剤であるEPIと比較し、去勢抵抗性前立腺癌細胞株であるLNCaP95細胞を用いて、細胞増殖抑制効果が同等または増強する可能性をIn Vitroで以前証明した。当施設で予備実験として同様のIn Vitroの実験を行い、以前とほぼ同様の細胞増殖抑制効果を得られた。免疫不全マウスを用いてLNCaP95細胞のXenograft作成を試みているが、比較実験を行う腫瘍の作成ができていない状態である。共同研究を結んでいるBCCA Genome Sciences CentreのSadar教授 またはBritish Columbia大学Andersen教授と適宜ディスカッションを行い、In vivoの実験条件等を調整し腫瘍縮小効果の実験を今後さらに行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本申請者がカナダ留学中にEPIのヨード化により(I-EPI)、オリジナルの薬剤であるEPIと比較し、去勢抵抗性前立腺癌細胞株であるLNCaP95細胞を用いて、細胞増殖抑制効果が同等または増強する可能性をIn Vitroで以前証明した。当施設で予備実験として同様のIn Vitroの実験を行ったところ、以前と同様の細胞増殖抑制効果を得られず、In Vitroの実験系を確立するために時間がかかったが、薬剤の濃度調整、実験条件の調整等行い、細胞株での実験で薬剤の増殖抑制効果を確認した。続いて動物実験の免疫不全マウスにLNCaP95細胞の Xenograftモデルを背部皮下に作製するIn Vivoの実験を行っているが、安定したXenograftモデルの作製ができておらず、薬剤の腫瘍縮小効果の実験へ移行ができていない状態である。
|
Strategy for Future Research Activity |
I-EPI及びEPIは、共同研究を結んでいるBCCA Genome Sciences CentreのSadar教授またはBritish Columbia大学Andersen教授より提供をいただいており、適宜 Sadar教授やAndersen教授らとディスカッションを行い、動物実験でのXenograftモデルの作成条件の再検討を行う。また、必要があればI-EPI及びEPIを再度追加で提供していただくことも可能である。細胞増殖がより安定している前立腺癌細胞株LNCaP細胞も用いて免疫不全マウスにXenograftモデルの作製条件が問題ないか予備実験を行い、去勢抵抗性前立腺癌細胞株であるLNCaP95のXenograftモデルを作製、腫瘍縮小効果の実験を行う予定である。
|