2017 Fiscal Year Research-status Report
腎癌の新規予後因子TRIM44の臨床的意義および機能解析
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17K16781
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山田 雄太 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (10376452)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | TRIM44 / 腎癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
Tripartite motif (TRIM) 蛋白はユビキチン経路に関与し、なかでもTRIM44は悪性疾患との関連を指摘されている。本研究は腎癌におけるTRIM44の臨床的意義および機能を明らかにすることを目的とした。 腎癌のTRIM44の免疫学的染色では、TRIM44の強発現は、短命細胞癌 (P = 0.005), 遠隔転移あり (P = 0.048), Grade3(P = 0.003)、微小リンパ管浸潤あり(P = 0.028)、癌特異的死亡率(P = 0.019)と有意な相関を認めた。細胞実験は、腎癌の細胞株である769-PとCaki-1細胞を用いた。それぞれの細胞株に関してTRIM44のgain-of-function,loss-of-functionの実験を行った。loss-of-functionに関してはsiTRIM44を用いて腎癌細胞のTRIM44のノックダウンした。Caki1細胞においてTRIM44の一時的強発現を行うと細胞増殖能実験(MTS assay)では48時間後でcontrolと比較して有意な細胞増殖を認めた。また、siTRIM44によりCaki1細胞のTRIM44をノックダウンすると24時間後、48時間後でcontrolの細胞がTRIM44ノックダウン細胞と比較して有意に増殖能が高いことがわかった。また、遊走能実験でも、TRIM44を一時的強発現したCaki1細胞は、controlと比較して遊走した細胞数が有意に多く、TRIM44ノックダウンしたCaki1細胞では有意に少ないことがわかった。また、TRIM44の一時的強発現したCaki1細胞とcontrol, siTRIM44でTRIM44ノックダウンしたCaki細胞とcontrolでマイクロアレイ実験を行い、現在解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H29年度に計画していた腎癌組織の免疫染色および解析、腎癌細胞における機能実験で予想通りの結果が得られた。ただし、マイクロアレイ実験に関しては現在解析中であり腎癌におけるTRIM44の癌との関連メカニズムはまだ明らかにできていない。
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Strategy for Future Research Activity |
腎癌細胞における安定細胞株の樹立は、TRIM44の一時的強発現の細胞実験が予想通りの結果が得られたため必要がなくなる可能性がある。マイクロアレイ実験によりTRIM44により制御されるシグナルを絞り込みTRIM44との相互作用メカニズムを明らかにしたい。
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Causes of Carryover |
想定した以上にトランスフェクション実験に費用がかさんだため。ただし、次年度で行うトランスフェクション実験の分を本年度でおえたため問題はないと考える。
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