2018 Fiscal Year Research-status Report
精巣でのテストステロン産生に関与するD型アスパラギン酸合成酵素の同定
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17K16786
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
富田 圭司 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (30640148)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 精巣 / テストステロン / D型アスパラギン酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はHPLCを用いて、マウス精巣でD-Aspが出生後に週齢とともに増加し、造精機能の成熟と共にプラトーに達することや、出生直後はセルトリ細胞に発現する DDO (D-Asp分解酵素)が、逆相関する形で急激に活性を失うという、特徴的な経時的変化を見いだした。 D-Aspは精細胞分化に伴い精子細胞の細胞質 (Residual body)に存在し始め、精子の成熟時にセルトリ細胞へ吸収されることを報告した。成獣マウスのセルトリ 細胞では、前述のごとく分解酵素であるDDOの活性が成長と共に失われ、D-Aspはセルトリ細胞で分解されず生理的活性を失わない。 In vitro精子産生法(Sato, Nature, 2011)における培養精巣組織内で、外因性D-Aspは減数分裂開始前の精細胞分化に抑制的に作用した。(Tomita, Biol Reprod, 2016) 以上のこれまでの研究成果により、精子細胞に含まれる内因性D-Aspは、分化の進んだ精子細胞の細胞質内で合成され、セルトリ細胞へ放出された後に精巣間質 のライディッヒ細胞へ作用し、テストステロン合成を亢進するものと推察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
精巣でのアスパラギン酸合成の酵素活性が同定できていないため
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Strategy for Future Research Activity |
精子細胞における酵素活性だけではなく、精巣内のその他の細胞や、体細胞においても活性が同定できるか検討を行う。
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Causes of Carryover |
特に大きな出費を伴う研究費が発生しなかったため
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