2017 Fiscal Year Research-status Report
活性酸素種による前立腺肥大症の発症機構解明と新規治療薬開発の基盤構築
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17K16797
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
清水 翔吾 高知大学, 教育研究部医療学系基礎医学部門, 助教 (90721853)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 前立腺 / 前立腺肥大症 / 活性酸素種 / 高血圧 |
Outline of Annual Research Achievements |
前立腺肥大(良性前立腺過形成)を伴う排尿障害は、畜尿障害や排出障害といった症状が発生し、生活の質を低下させることが問題となっている。その患者数も多く、本邦での推定患者数は400万人以上と報告されている。しかしながら、その発症原因は、十分に解明されておらず、治療法も限定的である。近年、臨床及び疫学研究において、高血圧、糖尿病、高脂血症など動脈硬化に関与する疾患が前立腺血流量低下を惹起し、前立腺肥大症を含む排尿障害の危険因子になりうるとの報告がなされた。本研究は、前立腺血流低下に伴う前立腺肥大症発症の分子機構を、活性酸素種に着目して明らかにすることを目的とした。自然発症高血圧ラット (Spontaneously hypertensive rat: SHR) は一定の週齢を超えると腹側前立腺が過形成を呈し、前立腺血流量も低下していくことが知られている。 我々は、SHRを飼育し、18, 36週齢の時点で前立腺を摘出し、前立腺重量を測定した。その結果、SHRは、各週齢においてコントロール (WKYラット) 群と比較して前立腺重量を体重で補正した前立腺重量比の増加がみられた。また、HE染色において、SHR腹側前立腺では、腺及び間質領域の割合増加がコントロール群に比べてみられた。さらに、SHR群では、コントロール群と比較して、前立腺血流量が有意に低値であり、前立腺組織中の酸化ストレスマーカー (Malondialdehyde: MDA)の値が有意に高値を示していた。つまり、前立腺血流量低下に伴う活性酸素種の発生が前立腺過形成の進行に関与する可能性が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた前立腺肥大モデルの解析を行うことができた。来年度は、薬物投与による前立腺過形成への影響と活性酸素種の関与を検討したい。
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Strategy for Future Research Activity |
研究協力者と協力し、より多くの実験結果が次年度に得られるようにする。
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Causes of Carryover |
予定以上に動物実験の結果が得られたため。来年度は予定していた実験の予備実験を丁寧に行い、効率よく多くの実験結果が得られるようにする。
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Research Products
(5 results)
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[Presentation] シクロホスファミド誘導性膀胱炎ラットの排尿筋過活動に対する選択的α1A受容体遮断薬シロドシンの効果2017
Author(s)
清水翔吾, 清水孝洋, 東洋一郎, 中村久美子, 新武享朗, Zou Suo, 濱田朋弥, 長尾佳樹, 山本雅樹, 本田正史, 齊藤源顕
Organizer
第24回日本排尿機能学会
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