2018 Fiscal Year Research-status Report
活性酸素種による前立腺肥大症の発症機構解明と新規治療薬開発の基盤構築
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17K16797
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
清水 翔吾 高知大学, 教育研究部医療学系基礎医学部門, 助教 (90721853)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 前立腺肥大 / 前立腺過形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで我々は、自然発症高血圧ラット (spontaneously hypertensive rat: SHR) を用いて前立腺血流量低下が、前立腺過形成を惹起することを報告してきた。PDE5阻害薬タダラフィルは前立腺肥大症を伴う排尿障害の治療薬として用いられている。今回、SHR腹側前立腺過形成に対するタダラフィルの効果を検討した。12週齢雄性SHRにタダラフィル 2 mg/kg 及びvehicle (0.5%メチルセルロース溶液) をそれぞれ6週間連日経口投与した 。対照としてvehicleまたはタダラフィル処置のWKYラット群の計4群で実験を行った (n = 8)。無麻酔下での血圧測定、ウレタン (1.0 g/kg i.p.) 麻酔下での腹側前立腺血流測定後、前立腺を摘出し、組織重量を測定した。また、腹側前立腺の一部を恒温槽にてKCl(100 mM)による収縮とノルアドレナリン (NA) 累積投与による最大収縮力を観察した。SHRはWKYラットと比較して、体重に対する前立腺重量比の増加、腹側前立腺血流量低下、平均血圧が高値であった。タダラフィル投与は、SHR平均血圧には有意な差は見られなかったが、前立腺重量比の低下、腹側前立腺血流量の増加が見られた。一方、KCl及びNA添加における腹側前立腺平滑筋収縮においては、全ての群において統計学的有意な差はみられなかった。さらに、WKYラットにおける上記パラメーターに対しては、タダラフィル投与による影響はみられなかった。タダラフィルは前立腺血流量低下を改善させることで、前立腺過形成を抑制する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究課題は予定通り進行していたが、途中、予想以上の興味深い実験結果が得られた。しかし、その実験結果に対する考察をはっきりと行うために、追加実験を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
残りの生化学実験を終了し、国際雑誌に論文投稿を行う予定である。
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Causes of Carryover |
研究課題は予定通り進行していたが、途中予想以上の興味深い実験結果が得られた。しかし、その実験結果に対する考察をはっきりと行うために、更なる実験が必要と判断した。実験・解析を丁寧に行った上での学会発表、論文発表を目標とするため、次年度使用額が生じた。
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[Presentation] Central angiotensin II induces frequent urination through inhibition of GABAergic nervous system and stimulation of angiotensin II type 1 receptor downstream signaling in rats2018
Author(s)
Shimizu S, Shimizu T, Nakamura K, Higashi Y, Aratake T, Zou S, Hamada T, Nagao Y, Ueba Y, Yamamoto M, Honda M, Saito M
Organizer
International Continence Society 48th Annual Meeting
Int'l Joint Research
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