2017 Fiscal Year Research-status Report
Functional analysis of lysophosphatidic acid in urothelial carcinoma and establishment of novel treatment.
Project/Area Number |
17K16804
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
片岡 政雄 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (90554204)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 膀胱癌 / 浸潤 / リゾフォスファチジン酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
筋層非浸潤性膀胱癌49症例において、摘出組織の免疫組織化学染色法によるLPA1の発現と術後の再発・進展との関係について検討を行った結果、LPA1発現陽性群は陰性群に比べ術後の再発率が有意に高いことが確認された(p<0.05)。しかし、LPA1発現と進展の間には有意な相関は認められなかった。 また、筋層浸潤性膀胱癌15症例、筋層非浸潤性膀胱癌12例での検討では、ウエスタンブロット、免疫組織化学染色にて筋層浸潤性膀胱癌で有意にLPA1発現が亢進していることを確認した。また、LPA2、LPA3は筋層浸潤性膀胱癌、筋層非浸潤性膀胱癌いずれにおいてもLPA1ほどの発現は認められなかった。LPA産生酵素であるATXは膀胱正常粘膜で発現が確認された。LPA1発現陽性群は、陰性群に比べ有意に癌特異的生存率が低いことが確認された(p<0.05)。 膀胱癌細胞株T24を用いた解析によると、LPA1のノックダウンにより癌細胞の浸潤能抑制が確認された。同様に、LPA1阻害剤であるKi16425によっても癌細胞の浸潤能抑制が確認された。T24においてはLPAによりRho/ROCKの亢進、ミオシン軽鎖のリン酸化とミオシン脱リン酸化酵素のリン酸化が亢進すること、それらがLPA1のノックダウンや阻害剤の投与により抑制されることが確認された。また、LPAにより引き起こされるラメリポディアの形成もLPA1のノックダウン、阻害剤投与により抑制されることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
尿路上皮癌組織におけるLPA受容体発現機能解析は、筋層非浸潤性膀胱癌における再発・進展とLPA1発現についての検討が順調に進んでいる。また、筋層浸潤性膀胱癌と筋層非浸潤性膀胱癌におけるLPA受容体発現解析も順調に進んでいる。 LPA受容体下流のシグナル経路の解明については、これまでRho/ROCK、アクトミオシン系の経路の解析が進んでいる。現在、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)活性の解析を行うべくゼラチンザイモグラフィーアッセイの準備進行中である。 尿路上皮癌患者と正常対象の尿中LPA濃度測定については、現在尿サンプルの採取と解析の準備中である。 膀胱癌モデル作成についてはいまだ未着手であり、今後準備を進めていくところである。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、膀胱癌組織におけるLPA発現解析、膀胱癌細胞株を用いたLPA下流シグナルの解析は順調に進行中である。今後はPI3K/Akt/mTORシグナルやMAPK/Erkシグナルについて解析を広げていく予定である。 尿サンプルを用いたLPA解析は現在サンプルの保存の準備を進めている。同時に解析の準備も進めている。 動物モデル作成、LPA受容体機能解析は、共同研究者と協議をしながら順次手配中である。
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Causes of Carryover |
当該年度に購入、研究できなかったアッセイキットの購入と学会参加費用として使用します。
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Research Products
(2 results)