2018 Fiscal Year Research-status Report
浸潤性膀胱がんに対する磁性ナノ粒子と免疫治療を用いた新しい治療法の開発
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17K16807
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
小林 大地 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 研究員 (80570704)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | MCL therapy |
Outline of Annual Research Achievements |
①浸潤性膀胱がん動物モデルの作成について、0.05%のBHBNの自由飲水により浸潤性膀胱がんマウスを作成した。②MCLの膀胱内注入におけるMCLの吸着の検討について、作成した浸潤性膀胱がん動物モデルにMCLを膀胱内注入し、MCLの吸着および取り込みを走査型電子顕微鏡にて確認した。MCLが膀胱粘膜に吸着、一部で細胞内への取り込みを確認した。③膀胱がん皮下腫瘍に対するMCL Thermotherapyの治療効果の検討について、BALB/c Slc-nu/nuにT24:1×106 cells/100 μl (in PBS)を背中の左右に皮下移植し、モデルマウスを作成した。MCLの注入の有無により2群に分けた。(1)MCL注入群(2)MCL非注入群。片側のみをMCLThermotherapyにて治療する。MCL Thermotherapyにより免疫が獲得されていれば、未治療の腫瘍は免疫賦活により退縮すると考えられた。実際にはMCL治療群において、非治療の腫瘍の縮小が認められた。これは免疫賦活化による効果であることが推察された。④MCL膀胱内注入療法によるPD-L1/PD-L2の検討について、腫瘍免疫については、新たにPDL-1およびPDL-2が見出され、免疫バランス制御の新たなパラダイムが提唱されている。MCL膀胱内注入療法後に、交番磁場を2日おきに照射し、がん細胞由来のPD-L1/PD-L2の発現について検討する。現在このPD-L1/L2の発現について検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
浸潤性膀胱がん動物モデルの作成にやや時間を割いてしまった。MCLを膀胱内に注入しMCLの吸着・取り込みについては予想通りの結果であった。MCL thermotherapyの免疫賦活化については想定通りの結果であり、満足のいくものであった。現在はMCL thermotherapyにおけるサイトカインの誘導について繰り返し検討しているが、いまだ再現性のある結果は得られていない。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画を遂行するための研究体制:効率的に研究を進めるため、研究方法毎に研究者を分担する。また、指導的立場の医師が研究をコントロールしつつ、研究員がそれぞれの研究を個別に行い、定期的な研究報告会を行うことにより、研究の共有化をはかることとする。本研究は名古屋市立大学大学院医学研究科内にある泌尿器科研究室、共同研究室および動物実験研究施設にて行う。これら全ての実験には研究代表者・実験技術者が行い、教授の指導・監督のもとに研究を遂行していく。研究が当初の計画通り進まないときの対応:定期的に催される研究グループの報告会で、研究の進捗状況、その方法を検証し、研究の方向性、妥当性を適宜検討する。問題が生じた場合には、その都度学内外の専門家より適切な指示を受け修正する。さらに当大学内の定期的な研究報告会で、研究の妥当性と進捗状況を他グループの研究者からも客観的に評価してもらい、研究を円滑に行うよう努める。MCLの作成を中部大学小林猛先生の工学系技術のアドバイスをもとに共同研究で遂行し、学内の研究分担者とは毎週のミーティングを通し、進捗状況を報告しあい、適時、研究計画の見直しを行う。
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Causes of Carryover |
磁性ナノ粒子の供給が一時不安定となり、研究が一時中断したため次年度使用額が生じた。磁性ナノ粒子の安定した供給ルートを確保し、免疫応答のデータを蓄積していく。
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