2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of new therapeutic method using magnetic nanoparticles and immunotherapy for invasive bladder cancer
Project/Area Number |
17K16807
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
小林 大地 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (80570704)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | MCL Thermotherapy / 浸潤性膀胱がん |
Outline of Annual Research Achievements |
従来のがん温熱治療は電極で患部を挟み交流電流により加温する誘電加温法である。しかしながら、この加温法では正常組織まで加温してしまうため、十分に加温することは不可能である。そこで私たちは、外科治療が不要な新しい治療法として、正電荷リポソーム包埋型磁性ナノ粒子(Magnetic Cationic Liposome:MCL)を発熱体とする温熱治療(MCL Heat Therapy)を開発した。マグネタイト微粒子(Fe3O4)をカチオン性のリン脂質で被覆したMCLを腫瘍組織に注入し、MCLだけが発熱する周波数で交番磁場発生装置によって磁場照射することで腫瘍組織のみを選択的に加温できるため、非常に高い治療効果が得られる。私たちは、この方法をMCL Heat Therapyと名付けた。この治療法は従来の誘電加温法の欠点を克服する治療法である。 私たちは新たながん治療の開発を目的に、MCL Thermotherapyの基礎研究を行ってきた。ラット前立腺がん皮下移植モデルでの抗腫瘍効果1)、ヒト前立腺がん細胞株の腫瘍完全退縮2)さらにラット前立腺がん頭頂骨モデル3)大腿骨転移モデルにおける、強い腫瘍免疫活性の誘導を明らかにし、その過程でHSP70の発現とCD8陽性Tリンパ球誘導サイトカインであるIFN-γ,IL-2の発現増強が免疫賦活に関与することを証明した。 高リスク筋層非浸潤性膀胱がんに対するBCG膀胱内注入療法は、局所免疫の観点から、臨床的有効性が確立した免疫治療である。このことからに膀胱がんの免疫治療への感受性の高いことが示唆されている。これまでに私たちは、MCL Thermotherapyを新たに開発し、前立腺癌をはじめ様々な癌の増殖抑制効果を報告してきた。そして最新の研究結果からMCL Thermotherapyの強い免疫賦活効果を見出した。
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