2018 Fiscal Year Research-status Report
Clarification of the mechanism of the interaction between germ cells and Sertoli cells in infant rat
Project/Area Number |
17K16808
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
加藤 大貴 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 臨床研究医 (00620931)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | セルトリ細胞 / 精子幹細胞 / ラット / 停留精巣 / 血液精巣関門 / Claudin11 |
Outline of Annual Research Achievements |
精子幹細胞は自己複製と分化を行い、精子を産生しつづける。精子幹細胞は、精細管基底膜とセルトリ細胞に囲まれたnicheに存在する。性成熟期のセルトリ細胞は局所でホルモン分泌や細胞間接着の成立を介して、精子形成を支持する役割を果たす。男性不妊症を来す代表的疾患に停留精巣がある。私たちは妊娠ラットに抗アンドロゲン剤であるフルタミドを投与することで非外科的停留精巣モデルを開発し、本モデルを用いて停留精巣の男性不妊の原因を解明することを目的とした。 昨年は予想した通り非外科的停留精巣モデルを得ることができず、薬剤投与の方法を変更したことで90%程度に非外科的停留精巣モデルを作成することに成功した。このモデルを用いて、停留精巣と下降精巣を幼少期~性成熟期にいたるまで詳細に観察比較を行った。幼少期では下降精巣と停留精巣の間には精子形成細胞・セルトリ細胞とも組織学的な差がみられなかったが、思春期(生後3-6週)では下降精巣では経時的に精子幹細胞が精母細胞に分化し精子形成がみられるのに対し、停留精巣では精母細胞以降の分化が起こらないmaturation arrestであることを確認した。 近年、思春期にセルトリ細胞が形質変化することが知られるようになり、代表的な形質変化の1つに血液精巣関門(Blood testis barrier:BTB)の形成がある。BTBはセルトリ細胞間に存在し、nicheの一部となる。血液精巣関門を形成する複数のタンパクに着目し思春期中の変化を観察したところ、BTB中で密着結合を形成するTight junctionを構成するClaudin11の配列変化がみられ、BTBの構造に異常をきたすことを発見した。 同時にBTB通過した後の精母細胞がアポトーシスに陥っていた。BTBを正常に形成することができないことが、停留精巣における男性不妊の原因のひとつである可能性が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定通りセルトリ細胞を分離・回収することができなかった。研究の対象期間を、幼若期から思春期にターゲットを変更した。
|
Strategy for Future Research Activity |
停留精巣において、思春期に血液精巣関門を正しく形成することができないことを示した内容は世界で初めてであり現在論文執筆中である。
|
Causes of Carryover |
年度末までの計画が早期に終了し、また次のステップの研究にかかる試薬の挿入が年度を超えたので、次年度使用額が生じた。引き続き計画に沿って精子幹細胞とセルトリ細胞の相互作用の解明を進めていく。
|
Research Products
(5 results)
-
-
-
-
-
[Presentation] Testicular histopathology and sertoli cell hormones in relation to testicular position at orchidopexy with unilateral cryptorchidism.2018
Author(s)
Kato Taiki, Mizuno Kentaro, Nishio Hidenori, Moritoki Yoshinobu, Kamisawa Hideyuki, Kurokawa Satoshi, Nakane Akihiro, Maruyama Tetsuji, Hayashi Yutaro, Yasui Takahiro
Organizer
The Societies for Pediatric Urology 66th Annual Meeting, 2018
Int'l Joint Research