2021 Fiscal Year Research-status Report
子宮内膜症への網羅的TCRレパートリー解析の導入;新規子宮内膜症治療戦略に向けて
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17K16824
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡邉 善 東北大学, 大学病院, 講師 (40722567)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 子宮内膜症 / T細胞レセプターレパートリー解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究参加者のリクルートは平成29年8月より開始され、令和元年7月までに44名から研究参加の同意を取得し、検体サンプリングを行った。令和元年12月までに42症例より末梢血(単核球に分離した状態)、正所子宮内膜がサンプリングされた。14症例において子宮内膜症を有しており、内膜症病変を同時にサンプリングされた。すべての症例について病歴(基礎特性や子宮内膜症の所見など)のデータを収集した。なお、当初の研究計画で研究サンプル候補として予定していた月経血および腹水のTCR解析については細胞サンプリングの不安定さから十分な解析が困難であったため、平成30年度から解析対象から削除した。 子宮内膜症群12例と非子宮内膜症群8例、計20例の末梢血サンプルに対してTCRレパートリー解析を施行した。α鎖およびβ鎖でのV-J遺伝子の組み合わせにおいて、いくつかの高頻度を示す遺伝子配列がいくつか散見された。しかし、子宮内膜症群内において、子宮内膜症に特異的な遺伝子配列の各候補を検体間で比較したところ、出現頻度からは類似性を見出すことは困難であった。このことから単純解析だけでは子宮内膜症に特異的を見出すことはできないことが判明した。そのため、研究計画を見直し、子宮内膜症症例に対象を絞り解析を行うこととした。子宮内膜症病変からの解析に十分なサンプルが採取できなかったことから、令和2~3年度中に子宮内膜症症例サンプルの追加を予定していたが、コロナ禍のため、症例が収集できなかった。最終年度となる令和4年度では、これまで収集したサンプルの一部から子宮内膜症病変のTCR追加解析をする方針とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初予定目標としていた研究対象数に到達することが困難であることから、研究期間を延長して子宮内膜症患者に対象を絞りリクルートを継続する予定だったが、コロナ禍のため子宮内膜症の手術症例が全く収集することができず、計画していたTCR解析を行うことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
予定研究対象数に到達することが困難であり、これ以上のサンプル収集を期待できないため 、これまで収集したサンプルの一部から子宮内膜症病変のTCR追加解析をする方針とした。
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Causes of Carryover |
これまでの研究結果より研究計画を見直し期間延長をする方針になったことにより、当初本年度中に使用予定も見直したことにより発生した未使用額である。 令和3年度未使用額をそのまま令和4年度の研究遂行に使用する予定である。
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