2019 Fiscal Year Annual Research Report
Significance of IL1A variants in endometriosis
Project/Area Number |
17K16837
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
安達 聡介 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (50613147)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 子宮内膜症 / IL1A / 癌関連遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は子宮内膜症におけるIL1Aの体細胞変異の有無を確認するために、子宮内膜症13症例から子宮内膜症組織を13サンプル、婦人科良性疾患11症例における摘出子宮から子宮内膜組織を11サンプル採取した。両組織とも凍結切片からレーザーマイクロダイセクションを用いて上皮のみを選択的に採取し、DNAを抽出した。コントロールとして同一患者の血液から得たDNAを用いて全エクソンシークエンスを行い、体細胞変異を同定した。全エクソンシーケンスの結果、子宮内膜症と正常子宮内膜の両組織においてIL1A変異は認めなかったが、KRAS、PIK3CA、FBXW7、PPP2R1A、PIK3R1といった癌関連遺伝子で高頻度に体細胞変異を認めた。特に、KRASとPIK3CAにおける遺伝子変異の頻度が高く、子宮内膜症上皮でKRAS変異が62%(8/13)、子宮内膜上皮でPIK3CA変異が64%(7/11)という結果であった。子宮内膜症上皮と正常子宮内膜で認められた遺伝子変異には類似性を認めたが、変異アリル頻度(mutant allele frequency: MAF)は有意に子宮内膜症上皮で高い結果であった。また子宮内膜症上皮における癌関連遺伝子変異のMAFは、同一サンプル内の他の遺伝子変異のMAFと比較し上位に位置しており、癌関連遺伝子変異がクローナルな細胞増殖に寄与していることが示唆された。子宮内膜症と正常子宮内膜における遺伝子変異の類似性は、月経血の逆流によって子宮内膜組織が子宮外に正着し、子宮内膜症病変が形成されるという月経逆流説を支持する結果であった。また子宮内膜症における癌遺伝子変異は高いMAFを保持しており、異所における子宮内膜の生着・生存に寄与しているものと考えられた。
|
Research Products
(5 results)