2018 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular mechanism of APOBEC-mediated HPV carcinogenesis and its application as prognosis factor
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17K16839
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
若江 亨祥 国立感染症研究所, ウイルス第二部, 主任研究官 (70638303)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | APOBEC / 子宮頸癌 / HPV |
Outline of Annual Research Achievements |
(研究の目的)ヒトパピローマウイルス(HPV)感染を介した子宮頸部発癌の分子機序は不明な点が多い。我々は遺伝子改編酵素群APOBECに着目し、APOBECがHPVゲノムに変異を導入する事を報告した(Wang, J. Virol. 2014)。本研究はこれを発展させ、HPV感染による発癌機序の分子機構の解明を目的とした。 (本年度の成果, Wakae Sci. Rep. 2018)APOBECの発現誘導機序について研究を進めた結果、HPV感染子宮頸部異形成細胞株W12の分化により、APOBECの発現が誘導される事を明らかにした。またこれに同期してミトコンドリアゲノムにAPOBECが変異を導入する事を示した。ミトコンドリアゲノム変異は子宮頸癌や中咽頭癌からも検出され、APOBEC3Bの発現と相関を示した。詳細な分子機構について解析中である。 (研究期間を通じた成果)1.(Kondo, Oncogene 2017) 中咽頭癌でAPOBEC3Aの発現がウイルスゲノム挿入と相関する事を示した。HPV陽性中咽頭癌について、ウイルスゲノムをゲノム挿入優位型と、エピソーム優位型に分けてAPOBECの発現量を検討したところ、APOBEC3Aの発現が、ゲノム挿入優位型で高いことが明らかになった。APOBEC3Aの強制発現により、宿主、ウイルス両方のゲノムに変異が導入される事から、変異修復の過程で宿主、ウイルスゲノムの断端が誤って結紮されゲノム挿入が起こる可能性を提唱した。2.(Izuka, Am. J. Reprod. Immunol. 2017)子宮頸部上皮異形成の病期毎にAPOBECの発現量を比較し、APOBEC3Gの発現が病期と正に相関する事を報告した。現在その生物学的意義について検討中である。
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Research Products
(7 results)