2018 Fiscal Year Research-status Report
がん微小環境の免疫因子解明に基づく難治性絨毛癌の新規治療戦略
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17K16845
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
新美 薫 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (20571334)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 絨毛癌 / C2GnT / 化学療法耐性株 / 糖鎖 |
Outline of Annual Research Achievements |
絨毛癌細胞株を用いて抗癌剤耐性株を作製し、評価した。また絨毛癌における免疫状態の評価を免疫組織学的染色にて行った。さらに、絨毛癌細胞株JarとBewoでC2GnTノックアウト細胞を作製し、in vitroでのC2GnT発現が及ぼすNK細胞からの逃避機構を調べた。 (1)化学療法耐性株を作製した。前年度絨毛癌細胞株のJar細胞、Bewo細胞のメトトレキサート耐性株を作製したが、その評価を行った。Jar細胞のMTX耐性株ではIC50:3.35×10-3M、Wild:8.88×10-7Mであり、Bewo細胞のMTX耐性株ではIC50:2.0×10-4M、Wild:4.55×10-7Mであり、MTX耐性を確認できた。 (2)絨毛性疾患(胞状奇胎と絨毛癌)のパラフィン包埋ブロックより組織切片を作製した。NKG2DリガンドのMICAとULBPの抗体を用いて免疫組織染色を施行した。絨毛癌の再発ではMICA、ULBPともに高発現していた。 (3)C2GnTの機能解析をC2GnTノックアウト細胞を使用して行った。Jar細胞、Bewo細胞ともにC2GnTノックアウト細胞でNK細胞傷害性が有意に高い結果を得た。また、C2GnT発現が低い絨毛癌細胞はNK細胞傷害性が高く、C2GnT高発現のJar, Bewo細胞はNK細胞傷害性が低い結果であった。C2GnTが付加する糖鎖を認識するレクチンであるLELの抗体を用いて免疫沈降を行い、ノックアウト細胞とコントロール細胞を用いてMICAの糖鎖を確認したところ、ノックアウト細胞でMICAの糖鎖が低下していた。C2GnT発現とNK細胞傷害性の関連が示唆され、その機序としてMICAの糖鎖が変化することが考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
化学療法耐性株はMTX耐性株で作成できたが、他のACT-D耐性株、ETP耐性株は現在作製途中である。 平成30年度以降に予定していたC2GnTノックアウト細胞の作成とそれを用いたin vitroでの実験を行うことができており、in vivoでの皮下移植モデルもすでに施行中であるため、研究の進行としてはおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
絨毛癌の化学療法耐性株として、アクチノマイシンD耐性株、エトポシド耐性株を作製していく予定である。 さらに、C2GnTノックアウト細胞株を用いてin vivoの実験を進めていく。 MTX耐性株を使用した薬剤耐性因子の検索を進める。
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Research Products
(5 results)