2018 Fiscal Year Research-status Report
Study of blood glucose kinetics and glycemic control methods with the Real-Time Continuous Glucose Monitoring During labor of gestational diabetes and normal pregnant women.
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17K16852
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
牧 尉太 岡山大学, 大学病院, 医員 (20774178)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 妊娠糖尿病 / 分娩 / 血糖動態 / 妊婦 / 周産期合併症 / リアルタイムCGM / 食事 / インスリン |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】分娩時血糖の動向をリアルタイムCGMで評価し,分娩中における血糖動態を解明し,GDM群と正常血糖(対象)群の平均血糖値(SG)を比較検討し,分娩時期による血糖値の差異から判明した結果をもとに分娩時の血糖管理法を選定する. 【方法】2016年5月から2018年3月までの22ヶ月間に当院で経腟分娩を施行した93例の内様々な理由で53例が除外された結果,GDM群:18(19.4%)例,対象群: 22(23.6%)例となった.ガイドライン並び,当院の管理指針を用い,必要時自由に飲食を摂り陣痛発来時から分娩期間を4段階(Ⅰ期からⅣ期)に分け,分娩後48時間までの血糖変動をリアルタイムCGMで測定し解析.【結果】出生児背景に有意差無し.陣痛初来後のインスリン使用は,潜伏期と活動期で全症例のインスリン合計使用量は14単位から0単位へ減少し、活動期以降産後の使用無し.次にSGの分割プロットデザインの分散分析の結果,GDMは分娩期間の主効果には有意差が認められたが[ F(2.1,80.7)= 5.915, P<0.01],DM有無の主効果,および期間とDMの交互作用は認められなかった.T検定(ボンフェローニ法による修正)を用いた下位検定では,分娩期間別では GDM群でⅠ期とⅡ期,Ⅰ期とⅢ期,Ⅲ期とⅣ期に有意差を認めた.対象群でもⅢ期とⅣ期(P<0.05)に有意差を認めた.【結論】2群間比較からGDMの有り無しでは,SGに差は認められず,血糖の上昇は期間が血糖に影響を与える主効果であることが示唆された。また児娩出後早期のSGが,最大値を示し,その後SGはGDM群,対照群ともに急峻に正常化することが示された。 2群間でDMの有り無しでは,有意差がなく共に同様の血糖動態が示されたことは,日本のGDM妊婦の分娩管理は絶食状態・補液・インスリン持続投与がガイドライン上は現在推奨されるが,血糖測定下であれば,GDM妊婦は正常群と同様の管理方法を用いて分娩を行うことが可能であるかもしれない.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・直近12ヵ月で達成できた項目。 GDM患者と正常妊婦(対照群)の経腟分娩症例に対して,2016年5月から2018年3月までの22ヶ月間に当院で経腟分娩を施行した93例の内,様々な理由で53例が除外された結果,GDM群:18(19.4%)例,対象群:22(23.6%)例となった(解析最低必要数の到達)。本年は4月以降論文投稿が主となった。acceptにむけ英文校正や統計解析の再検討などを適宜行ったが,rejectが続く結果となった。3回目のrejectのコメントを参考に,GDM群の中にOvert Diabates in pregnancyが含められていたため除外とし,解析を再検討しデータを改変した。現在Journal of Obstetric and Gynecology research(JOGR)に投稿し、2019年3月8日にreviceとなった。2019年5月までに修正しaccept待ちとなる。現在副論文として、血糖上昇と分娩第2期の分娩時間と血糖上昇の関係性も兼ね合いについて再検討し投稿予定であり、さらに,2018年8月より追加検討として 帝王切開施行GDM例と正常妊婦にもCGMを装着し血糖動態を確認する検討を開始している。現在GDM例4例 正常妊婦1例まで到達している。帝王切開群まで検討はすすんでおり順調な研究進展と考えられる。 以下が本年投稿した雑誌と結果である。 ①Diabates care:2018/4 reject.②Diabetes Research and Clinical Practice:2018/5/26 reject.③Journal of Diabates investigation:2018/6/11 submit;10/28 acceptable/reject;結果reject.④Diabetes Technology & Therapeutics:2018/11/11 submit,2018/11/17 reject.⑤Journal of Obstetrics and Gynecology Research: 2018/11/27 submit; 2019/3/7 revise 現在修正に再投稿中である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在主論文に関してはJournal of Obstetrics and Gynecology Researchがreviseの状態となっており,再投稿を行い,accept待ちである。 今後,2018年7月より追加検討として,帝王切開施行GDM例や正常妊婦にもリアルタイムCGMを装着し,血糖動態を記録し,解析を行う検証も開始している。2019年度には症例数を確保できる予定である。 また2019年3月までのGDM群と正常群の経腟分娩症例の血糖動態のデータを用い、血糖に対する子宮口全開大後から分娩までの時間の影響を評価する予定である。解析方法は子宮口全開大後から分娩までの時間を説明変数に用い、経過時間と個人をランダム効果とした混合モデルを用いる。こちらのデータを副論文として投稿予定とする。 経腟分娩の現行ガイドラインを遵守した分娩中の管理とすること(絶食補液)に関しては当院の症例数が2018年11月より糖尿病内科の先生との間で異動があり、症例数が減少している状態である。副論文のデータ集積を行うことをしているため、施行ができていない。
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Causes of Carryover |
論文投稿をしたがacceptとならず、その分の投稿費がかからなかった。来年度に経費計上する予定である。また副論文の統計解析費や英文校正費を2019年度に計上する予定である。当該研究者は本年発表などが複数回存在したため旅費の必要性が生じた。また次年度は国際学会での発表も控えており、その分の予算の計上が必要と考えられる。 加えて帝王切開における血糖動態の検討も行う予定としており、そちらの消耗品の計上が来年度は必要となると考えられる。
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Research Products
(5 results)