2018 Fiscal Year Annual Research Report
Reinforce the antitumor activity of CD8 T cells via restriction of the intracellular glutamine metabolism
Project/Area Number |
17K16853
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
安岡 稔晃 愛媛大学, 医学部附属病院, 助教 (60648624)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 腫瘍免疫 / CD8 T細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
CD8T細胞の疲弊は、抗腫瘍活性を発揮および維持する上で大きな障害となっている。我々は、予備的実験から、細胞内グルタミン代謝経路の活性化亢進が、T細胞疲弊の誘導に関与することを見出した。まず、腫瘍細胞の異なる担癌マウスモデルを樹立し、様々な種類の腫瘍に対してCD8 T細胞の抗腫瘍活性を評価する実験系を構築した。グルタミン濃度の調節やグルタミン代謝経路の阻害剤などを用いて、活性化CD8 T細胞における抑制性受容体発現の抑制や生存率を指標とし、CD8 T細胞における細胞内グルタミン代謝を調節する培養条件の検討を行った。さらに、CD8 T細胞のサイトカイン産生や細胞傷害活性測定によるT細胞機能の解析を行い、腫瘍免疫で重要なCD8 T細胞における細胞内グルタミン代謝の調節によりT細胞疲弊を抑制し、高い抗腫瘍活性を獲得することを見出した。腫瘍微小環境下におけるCD8 T細胞の抗腫瘍活性は、代謝不適合により制限されると考えられる。そこで我々は、抗腫瘍活性におけるCD8 T細胞内グルタミン代謝の役割について、担がんマウスを用いた解析を行った。低グルタミン(dGln)培養した腫瘍特異的CD8 T細胞を養子免疫したところ、通常培地(Ctrl)で培養した細胞に比べ、効果的な腫瘍排除と担がんマウス生存率の改善が見られた。また、腫瘍浸潤CD8 T細胞におけるPD-1の発現低下とKi67陽性率の増加が見られたことから、生体内でのCD8 T細胞疲弊の抑制が考えられた。これらの結果、抗腫瘍活性におけるグルタミン代謝の重要な役割が明らかとなった。
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