2019 Fiscal Year Research-status Report
切迫流・早産妊婦の便中の制御性T細胞誘導性クロストリジウム属菌と早産発生との関連
Project/Area Number |
17K16864
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
永山 志穂 自治医科大学, 医学部, 助教 (80741694)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 切迫早産 / 腸内細菌 / クロストリジウム / 制御性T細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
切迫早産の原因は不明である。近年、切迫早産後に早産となった妊婦の腸内細菌叢で、クロストリジウムIV群、XIV群およびXVIII群が減少していると報告された。これらにはCD4+ Foxp3+の制御性T細胞を誘導する働きがあるクロストリジウム種が含まれている。しかし、切迫早産後に早産となった妊婦において、腸内の制御性T細胞誘導性クロストリジウム種が減少しているかどうかはまだ検討されていない。本研究では、妊娠28週未満の切迫早産妊婦および正常妊婦において、便中の制御性T細胞誘導性クロストリジウム種を含む腸内細菌叢を次世代シーケンサーを用いて特定・定量し、腸内の制御性T細胞誘導性クロストリジウム種が早産の発症に関連しているかどうかを検証する。早産の予測、腸内細菌制御による治療・予防法の開発の展望を得る。 対象は妊娠28週未満の切迫流・早産妊婦75例、正常妊婦75例。正常妊婦は合併症がなく投薬歴のないものとし、妊娠20週から28週までとする。各時期から糞便、 血液を採取する。糞便に関して:正常妊婦では妊娠20週から28週までに1回採取する。切迫流・早産により入院となった患者については、入院中に3回、さらに、 分娩後1回採取する。今年度は正常妊 婦の検体収集の準備並びに外来診療における検体収集を開始した。 検体収集後に腸細菌DNAを抽出する。後日、次世代シークエンサーを用いて16SrRNAおよびクロストリジウム属に特化した腸内細菌叢解析を行う。バイオインフォマテックスを用いた解析を行い、全腸内細菌叢のうちどの菌種が切迫早産妊婦で優勢または劣勢であるかについての評価を行う。妊娠群、切迫早産群において、 フローサイトメーターを用いて制御性T細胞比率及びTh17細胞比率の解析を行う。今年度は正常妊婦の末梢血液を採取しそれぞれの細胞比率を解析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
正常妊娠の検体は予定通りの目標検体数を収集することができた。しかし、妊娠26週未満の切迫流産早産患者数が少ないため、対象の検体が少ないため検体週数に時間がかかっている。 また、実験系の確立に時間を要しており、進捗が遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点で目標数に達した正常検体の腸内細菌細菌叢解析を行う予定である。 なお、実験系の確立に時間がかかるため、外部委託し解析をおこなっていく予定である。 26週未満の切迫流早産の対象患者数が少ないため、今まで収集した検体についても併せて解析する。 平行して検体収集を行っていく。
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Causes of Carryover |
検体収集がまだ十分でないため、腸内細菌叢解析をまでできなかった。 26週未満の切迫流早産になる対象はとても少ないため、現時点で収集できている検体数で解析を行う。正常検体分は収集が終了したため、解析予定である。また、実験系の確立に時間がかかっているため、外部委託し解析を行っていく予定である。
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