2017 Fiscal Year Research-status Report
卵巣癌のliquid biopsyによる新たなスクリーニング法の確立
Project/Area Number |
17K16873
|
Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
高矢 寿光 近畿大学, 医学部, 助教 (60734689)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 卵巣癌 / 癌ゲノム / 腫瘍内不均一性 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの卵巣高異型度漿液性癌(HGSOC)の研究により、クローナリティと薬剤感受性・再発との間に密接な関係があること、遺伝子発現パターンにより薬剤感受性が異なることが報告されている。また、本邦でも保険適用となったPARP阻害剤のバイオマーカーとして、ゲノムの相同組み替え修復に関わる遺伝子の異常が指摘されており、ゲノム全体のヘテロ接合性の消失(LOH)の程度と関連することが報告されている。これらのHGSOCの治療バイオマーカーや予後マーカーとして期待されるバイオマーカーについて、より多くの症例について解析を行うためオープンソースのデータを入手し、解析を行った。 クローナリティ解析については、OncoScan FFPE Assay kit(Affymetrix)を用いたSNP based arrayデータについては専用プログラムで解析可能であるが、大規模なオープンソースであるThe Cancer Genome Atlas(TCGA)より入手したSNPアレイデータに直接用いることができないため、同様の解析を行う手法の開発を行った。SNPアレイデータをRやPython、Perlなどのプログラムで開発された専用コードないしはコードを自作して解析を行い、同様のクローナリティの解析を行う方法を開発した。同時に、LOHの程度についてもスコア化する手法を開発した。薬剤感受性については、先に報告されている、ssGSEAという手法を元にHGSOCの治療で用いられる2剤の化学療法それぞれに対する感受性をスコア化した指標を用いて解析を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の予定では大規模オープンソースからデータを入手し、解析手法の開発を行い解析を行うまでを予定していた。現在、解析手法の開発はほぼ完遂しており、同時に解析を進行している状態である。概ね予定通りに研究は進行していると判断される。
|
Strategy for Future Research Activity |
TCGAのデータを用いて、約550症例に及ぶHGSOCのデータについて解析を行う。当初予定していたゲノム解析は終了しつつあり、データの統合とvalidationが主な研究となる。データの統合は、治療バイオマーカーである薬剤感受性マーカーとなる要素に着目し、機械学習の手法を用いて感受性予測を行うことを目標とする。また、オープンソースデータから得られた情報とのデータ比較を行い、バイオマーカーとしての有用性を探索する。同時に自施設でのサンプル収集を行い、解析を行う。
|
Research Products
(1 results)