2017 Fiscal Year Annual Research Report
免疫抑制分子阻害療法が奏効しない卵巣がんの新規免疫療法の開発
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17K16877
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
岩間 達章 国立研究開発法人国立がん研究センター, 先端医療開発センター, 研究員 (90757600)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | がん / 免疫 / 1型IFN |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、がん組織における1型インターフェロン(1型IFN)応答遺伝子(1型ISG)発現が、がん患者の予後と相関することが示されている。私達は、以前に構築した人工多能性幹細胞由来増殖ミエロイド細胞(iPSC-pMC)をベースとして1型IFN産生能を賦与したiPSC-pMC(1型IFN産生iPSC-pMC)を作製した。この細胞は、もとのiPSC-pMCと同様の形態および表面分子発現パターンを示し、GM-CSF依存性の増殖能を保持していたが、サイトカイン非存在下でも持続的に1型IFNを産生し続けた。RNAシーケンス解析、ジーンオントロジー・アノテーション解析により、この細胞そのものが1型ISGシグネチャーを示し、免疫応答、1型IFNに対する細胞応答、ウイルス防御応答に関連する遺伝子が上昇していることが明らかとなった。また、CRISPR/Cas9を用いて1型IFN受容体遺伝子を破壊したところ、代表的な1型ISGであるCxcl10、Irf7の発現が低下することから、この細胞における1型ISGの上昇は、1型IFNオートクラインシグナルに依存することが明らかとなった。以上より、1型IFN産生iPSC-pMCは、がん組織への投与によって投与局所の1型IFN遺伝子上昇を誘導し、抗腫瘍効果を誘導することが示唆された。
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[Presentation] Induction of CD8 T cell-mediated anti-tumor immunity by type 1 IFN-producing myeloid cell therapy2017
Author(s)
Tatsuaki Iwama, Nobuhiro Tsuchiya, Rong Zhang, Tianyi Liu, Miwa Haruta, Yosuke Kubo, Azusa Miyashita, Satoshi Fukushima, Hironobu Ihn, Yasuharu Nishimura, Satoru Senju, Itaru Endo, Tetsuya Nakatsura, Yasushi Uemura
Organizer
第36回札幌国際がんシンポジウム
Place of Presentation
ロイトン札幌
Year and Date
2017-06-22 – 2017-06-24