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2017 Fiscal Year Research-status Report

成長因子を用いた低侵襲で効果の高い顔面神経麻痺救済治療の開発

Research Project

Project/Area Number 17K16888
Research InstitutionYamagata University

Principal Investigator

古川 孝俊  山形大学, 医学部, 助教 (80466630)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
Keywords顔面神経再生医療 / 顔面神経麻痺 / bFGF / 神経再生因子
Outline of Annual Research Achievements

ウイルス性顔面神経麻痺の完全麻痺例に対し、ステロイド大量療法で治療を行うことが推奨され、当科においても積極的に行ってきたが、ステロイド大量療法にも限界があり、全例が治癒するわけではなく、麻痺後遺症に苦しむ患者の数が少なくない。そのため、低侵襲で効果の高い救済治療の開発が急務であり、当科では、顔面神経障害に対する神経再生の基礎的研究に取り組んでいる。
モルモットの顔面神経をクランプし、顔面神経障害モデルを作製する手技を習得した。また、また、誘発筋電図にて顔面神経再生の生理学的評価を行う手技の習得や、運動評価を評価する方法の確立、病理学的な評価方法の確立を行った。現在、ゼラチンハイドロゲルを用いて、bFGF(Basic fibroblast growth factor)や、その他種々の神経再生因子を投与し、神経再生に差が生じるかどうかを、形態学的・生理学的・分子生物学的に比較検討を行っている段階である。
臨床面においても、Bell麻痺重症例(ENoG値5%以下)に対して内視鏡下顔面神経再生術が開始されている、神経再生術群はステロイド大量療法単独群に比べて有意に治癒率・最終スコアの改善を認め、上乗せ効果を認めている。しかし、Hunt症候群においては上乗せ効果が明らかでない現状である。この再生術は、現在経中頭蓋窩法や経乳突法による減荷術の手術成績の報告と遜色ない結果が得られており、一番低侵襲でかつ聴力損失もない術式であることから、今後Bell麻痺重症例に対して検討されうる治療方法となると期待している。一方、Hunt症候群重症例(ENoG値5%以下)においては経中頭蓋窩法でも治癒率が低い現状にあるが、今回の再生術でも経中頭蓋窩法を上回る結果が得られておらず、Hunt症候群重症例に対する治療戦略は今後の課題であると考えている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

現段階で、安定して顔面神経障害モデルを作製する手技を習得できている。
また、誘発筋電図にて顔面神経再生の生理学的評価を行う手技の習得や、運動評価を評価する方法の確立、病理学的な評価方法の確立も出来ている。
薬剤投与を行ってから、最終的な病理の評価まで8週以上かかるため、時間を要しているが、実験の進捗状況としては、概ね当初の予想どうりである。
臨床面においても、Bell麻痺重症例(ENoG値5%以下)に対して内視鏡下顔面神経再生術が順調に開始されている。

Strategy for Future Research Activity

引き続き、、bFGF(Basic fibroblast growth factor)や、その他種々の神経再生因子を投与し、神経再生に差が生じるかどうかを、形態学的・生理学的・分子生物学的に比較検討を行っていく。また、分子生物学的検討も状況に応じて追加を検討している。
その他、動物実験でも、実臨床に合わせ、神経への薬剤1週間連続投与と、ゼラチンハイドロゲルによる徐放効果との効果の違いを比較検討する予定である。
臨床面においても、内視鏡下顔面神経再生術の症例数を増やして検討する予定である。

Causes of Carryover

当初予定していた超低温槽の購入を、他の研究者が購入してくれたため、繰り越しが生まれた。
次年度は、動物実験関係費、試薬関連、神経栄養因子購入、成果の学会発表などに使用する予定である。

URL: 

Published: 2018-12-17  

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