2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K16894
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福岡 修 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (80779794)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 頭頸部外科 / 蛍光プローブ / GGT活性 |
Outline of Annual Research Achievements |
局所進行頭頸部癌において、粘膜病変の範囲を蛍光プローブによって定性・定量化し、イメージング手法として確立する事を目的として、GGTをターゲットとした蛍光プローブであるgGlu-HMRGを使用して手術切除検体に噴霧し、その蛍光量を評価してきた。順調に症例を蓄積し、肉眼的な腫瘍の存在範囲に一致した蛍光を確認する事ができた。すなわち頭頚部癌においてもGGTが発現している事が言える。一方で、すべての症例において蛍光が確認できた訳ではなく、症例ごとにその蛍光特性には違いがあることが判明した。つまり、同部位の病変においてもそのGGT活性には症例ごとに違いがある事がわかった。蛍光特性と臨床的特徴についての関係性についても検討したが、現段階では明らかな傾向が見いだせていない。 切除検体よりRNAを抽出し、シーケンスによる遺伝子発現定量を行った結果、GGT1発現が更新しているものとそうでないものが同割合で存在する事が確認できた。更にその発現の有無によって2群にわけたpathway解析において、GGT1発現群ではPI3K経路が更新している事が判明した。GGT1の発現と発がんに何らかの因果関係がある可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
gGlu-HMRGが頭頸部癌のイメージングにおいて有用であることが確認できた。ただし、現段階では定性的な手法としての有用性にとどまっており、定量的な評価方法の確立には至っていない。その他のプローブの有用性についてもまだ検証ができていない。一方で、当初平成30年度に予定していたプローブがターゲットとする遺伝子の発現や、pathway解析についてはすでに取り掛かっており、一部結果も判明してきている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き症例を蓄積し、蛍光プローブによる定量的イメージング手法の確立および他のプローブの有用性の検証を行う。蛍光特性と臨床像との関係性についてもさらに検討していく。 GGT活性を免疫染色により評価し、蛍光特性との整合性を確認する。 引き続き遺伝子発現およびpathway解析を行っていく。
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Causes of Carryover |
購入を予定していた試薬の一部がすでに施設内にあり、それを利用できたことと、当初の予定より学会発表にかかる旅費が少額で済んだため次年度使用額が生じた。今後、遺伝子解析などに費用を要し、試薬の購入や学会発表および論文投稿にも費用が生じる予定である。
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Research Products
(4 results)