2018 Fiscal Year Research-status Report
中咽頭癌個別化医療のためのクリニカルシーケンス導入の試み
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17K16904
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
今井 篤志 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (30794309)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | HPV関連癌 / リキッドバイオプシー / 中咽頭癌 / メチル化 / cell free DNA |
Outline of Annual Research Achievements |
研究初年度は、同意を得た中咽頭癌患者5例から組織サンプル(生検または手術)と末梢血10mlを採取した。組織サンプルからp16免疫染色とTaKaRa PCR Human Papillomavirus Typing Set によるHPV解析をおこなったところ, 全例HPV関連癌であった。末梢血から血漿を分離して、QIAamp DNA Mini Kit(Qiagen, Valencia, CA)を用いてDNAを抽出した。微量であるためにまずDNA量のみを測定した。DNA量は検出可能であった。治療後も経時的(3ヵ月毎)にリキッドバイオプシーをおこなった。経時的な推移を確認できたものは3例、治療内訳は①手術→術後化学療法併用放射線治療, ②手術単独治療, ③化学療法併用放射線治療であった。①は術後低下したが、術後化学療法併用放射線療法終了後に増加してきた。②は手術直後にやや増加したが、経過中に治療前の量に戻った。③は化学療法併用放射線療法後に増加した。全例で再発は認めていない。治療方法が異なるために現段階では傾向は明らかではなく,症例の蓄積が必要であると考えた。 研究2年目は、HPV関連中咽頭癌患者のリキッドバイオプシーサンプルを5名の患者さんから収集した。血漿からDNAを抽出し濃度を測定し、cell free DNAを使ってHPVのPCRを行った。腫瘍がHPVポジティブの症例でも、血漿からはポジティブの症例、ネガティブの症例が存在することがわかった。つまり、腫瘍からのcell free DNAの中にHPVが存在するかどうかで、予後と関連する可能性があると予想された。今後はサンプルDNAにバイサルファイト処理をおこない,メチル化されている塩基を特異的にPCR増幅してメチル化の解析をおこなう。シーケンス間と組織・血液間でのメチル化の相違性を検討する。E-cadherin, TAC1, GALR1, COL1A2遺伝子を解析する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
順調にサンプルは収集できており、cell free DNAを使った解析もいくつかの結果を得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
同意を得た中咽頭癌患者より組織サンプル(生検または手術)と末梢血から分離した血漿からDNAを抽出してメチル化解析をおこなう。対象症例を増やす。治療 前後や再発時を含めたリキッドバイオプシーの経時的変化について解析する。E-cadherin, TAC1, GALR1, COL1A2遺伝子を解析する。
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Causes of Carryover |
研究は順調にすすんでいる。次年度は、より多くのサンプルを処理する必要があり予算を使用する予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] The neuropeptide genes SST, TAC1, HCRT, NPY, and GAL are powerful epigenetic biomarkers in head and neck cancer: A site-specific analysis2018
Author(s)
Misawa K, Mima M, Imai A, Mochizuki D, Misawa Y, Endo S, Ishikawa R, Kanazawa T and Mineta H
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Journal Title
Clinical Epigenetics
Volume: 10
Pages: 52
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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