2017 Fiscal Year Annual Research Report
摂食・嚥下障害に対する脂肪組織由来幹細胞を用いた新規治療の開発
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17K16906
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
西尾 直樹 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (90732719)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 再生医療 / 摂食・嚥下障害 / 脂肪注入術 / 脂肪由来幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では舌下神経を切断することで一側の舌萎縮モデルを作成するとともに、脂肪組織由来幹細胞(Adipose-derived regenerative cells: ADRCs)を併用した脂肪注入術が萎縮した舌にどのように影響を及ぼすかを検討した。 動物実験として、12匹の日本白色種家兎(雄、14週齢、2.3kg-2.6kg)を用いた。ウサギの一側の舌下神経を切断して、舌下神経麻痺を引き起こすことで舌萎縮モデルを作成した。12頭を4匹毎の3群に分け、舌下神経切断4週後に脂肪注入術の手術手技を用いて、萎縮した舌に①生食1.5ml(Control群)、②脂肪1ml+生食0.5ml(Fat群)、③脂肪1ml+ADRCs0.5ml(ADRCs群)をそれぞれ注入した。ADRCs群においては、採取した脂肪組織から2×10*6個の脂肪由来幹細胞を培養し、注入術に用いた。注入術4週後に屠殺し、評価を行った。組織形態学的評価において、画像解析ソフトを用い、内舌筋の筋繊維の断面積及び短径を計算した。 すべてのウサギに関して、実験経過中に、いずれの群でも有害事象はなく、正常個体と同様の体重増加傾向を認め、3群間に有意な差は認めなかった。筋繊維の平均の断面積では、ADRCs群(581μm2)がControl群(405μm2)、Fat群(413μm2)の2群と比較して有意に大きい結果であった(p<0.05)。筋繊維の平均の短径においても、同様に、ADRCs群(23.8μm)がControl群(19.7μm)、Fat群(20.1μm)の2群と比較して有意に大きい結果であった(p<0.05)。 これらのことより、ウサギにおける舌下神経切断による舌萎縮モデルと脂肪注入術の安全性を確認することができ、ADRCsを混注することにより萎縮した筋繊維が再生することが示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Computed tomographic assessment of autologous fat injection augmentation for vocal fold paralysis2017
Author(s)
Nishio N, Fujimoto Y, Hiramatsu M, Maruo T, Suga K, Tsuzuki H, Mukoyama N, Shimono M, Toriyama K, Takanari K, Kamei Y, Sone M
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Journal Title
Laryngoscope Investigative Otolaryngology
Volume: 2
Pages: 459-465
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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