2017 Fiscal Year Research-status Report
網羅的遺伝子解析と免疫学的手法による甲状腺未分化癌の分子機構の解明
Project/Area Number |
17K16914
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊藤 理恵 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (10778616)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 甲状腺未分化癌 / マクロファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
甲状腺未分化癌は非常に悪性度の高い癌のひとつであるが、その性質はあまり解明されていない。我々は未分化癌の特徴としてマクロファージが多いということに着目した。 まずヒトのホルマリン固定パラフィン包埋切片の免疫染色を行った。未分化癌以外にも乳頭癌、濾胞癌、低分化癌なども免疫染色を行った。未分化癌や低分化癌においてマクロファージが多いことは確認できたが、乳頭癌の中にもマクロファージが多く存在するものもあるという文献があるため今後も個体数を増やし検討する必要がある。 甲状腺癌の細胞株をマウスに移植し、その腫瘍においてマクロファージが多いかどうかの検討も行った。細胞の種類によってはあまり生着しないものもあり移植の際にマトリジェルを使うなどの工夫も必要であった。また種類によって生着までの時間差がかなりあったためそのあたりも苦労した。できた腫瘍を摘出しフローサイトメトリーでマクロファージの割合を確認した。同じ未分化癌でもマクロファージが多くみられる腫瘍とそうでない腫瘍があった。乳頭癌ではあまり多くなかったが今後も数を増やして検討が必要である。 甲状腺未分化癌の網羅的遺伝子解析を行うため、未分化癌やその他の組織(乳頭癌、濾胞癌)の細胞株を用いてRNAシーケンスを行う準備をすすめている。また、ヒトの検体も集めてシーケンスも行えるように準備をすすめている。未分化癌は頻度が非常に少ないため多施設での収集も検討していく。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定していた実験は実施できている。
|
Strategy for Future Research Activity |
計画している通り実験を進めるとともに前年度の実験をさらに数を増やして検討を重ねていく。
|
Causes of Carryover |
RNAシーケンス費用や、マウス購入費用として必要である。
|