2017 Fiscal Year Research-status Report
Role of IgG4 in the pathogenesis of eosinophilic chronic rhinosinusitis
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17K16920
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
小山 貴久 岡山大学, 大学病院, 医員 (90795270)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | IgG4 / 好酸球性副鼻腔炎 / 好酸球 / 重症度 |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性副鼻腔炎におけるIgG4陽性細胞の発現と、その臨床的意義について検討した。対象は鼻茸(非好酸球性副鼻腔炎および好酸球性副鼻腔炎)および対照となる鉤状突起粘膜である。手術時に採取した鼻茸および鉤状突起粘膜に発現するIgG4陽性細胞を免疫染色にて検討し、HPFあたりの陽性細胞数をカウントした。 その結果、鉤状突起粘膜と比較して鼻茸ではIgG4陽性細胞が有意に発現していた。向上突起は慢性副鼻腔炎患者および非副鼻腔炎患者から採取したが、両群の間でIgG4陽性細胞数に有意な差は認めなかった。一方、鼻茸の中では、重症の好酸球性副鼻腔炎由来の鼻茸でその発現が亢進し、非好酸球性副鼻腔炎の鼻茸および中等症好酸球性副鼻腔炎の鼻茸との間でIgG4陽性細胞数の有意な差を認めた。 組織浸潤IgG4陽性細胞数と臨床徴候との関連を検討した。組織および末梢血中好酸球数とIgG4陽性細胞数は有意な正の相関を示した。副鼻腔CTスコアとも有意な正の相関を示した。さらに血清総IgE量とも正の相関を示した。1秒率とは有意な相関が見られなかった。 以上の結果より、IgG4陽性細胞は好酸球性副鼻腔炎の重症化に伴って発現し、好酸球性炎症や画像上の重症化に関与することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に示した通り、計画通りに遂行し、成果を得たたため進捗状況は順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究過程に従い、今後は術後経過との関係およびIgG4陽性細胞の2型サイトカイン産生に対する制御作用について検討いたします。
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Causes of Carryover |
消耗品を予定より安価で購入できたため残額が発生したが、次年度には磁気ビーズなど費用のかかる研究を予定しており、こちらに使用することを計画している。
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Research Products
(1 results)