2018 Fiscal Year Annual Research Report
HDAC inhibitors suppress proliferation, migration and invasion of human head and neck squamous cell carcinoma cells via p63-mediated tight junction molecules and p21-mediated growth arrest
Project/Area Number |
17K16931
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
小幡 和史 札幌医科大学, 医学部, 助教 (00548703)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 頭頸部扁平上皮癌 / HDAC阻害剤 / JAM-A / claudin-1 / p63 / 悪性化 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒストン脱アセチル化酵素(Histone Deacetylase:HDAC)阻害剤による頭頸部扁平上皮癌に対する抗腫瘍効果のメカニズムを癌細胞の浸潤および遊走に密接な関与がみられるタイト結合分子に焦点を当て研究を行った。 ヒト剖検材料では、頭頸部扁平上皮癌においてHDAC1, 転写因子p63, タイト結合分子JAM-A, claudin-1の発現が、悪性度とともに増加がみられた。また、咽頭扁平上皮癌細胞株(Detroit562)および初代培養癌細胞にHDAC阻害剤tricostain A(TSA)およびHDAC1特異的阻害剤を処置したところ、p63, JAM-A, claudin-1の発現低下がみられた。また、癌細胞の浸潤、遊走および増殖への影響を調べるため、咽頭扁平上皮癌細胞株(Detroit562)および初代培養癌細胞にHDAC阻害剤tricostain A(TSA)および HDAC1特異的阻害剤を処置したところ、癌細胞の浸潤、遊走および増殖の明らかな抑制が見られ、この変化は癌細胞の細胞周期の変化を介した増殖抑制みられた。この変化の一部は、p63を介してEGFR/ERK経路で調節されていた。 以上のことより、頭頸部扁平上皮癌においてp63依存性のJAM-Aは癌の悪性化に関与し、可溶化JAM-Aが、血清中測定可能なことより癌の補助診断となる可能性が考えられた。さらに頭頸部扁平上皮癌におけるHDAC阻害剤の抗腫瘍効果は、癌細胞の遊走・浸潤に関しては一部p63/JAM-Aの抑制を介して、癌細胞の増殖抑制に関してはEGFR/ERK経路を介して行われていることが分かった。
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Research Products
(1 results)