2018 Fiscal Year Research-status Report
日本人における神経線維腫症2型の遺伝子解析と治療薬選択の検討
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17K16944
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
野口 勝 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (50626760)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | neurofibromatosis type 2 / 次世代シークエンス |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は慶應義塾大学病院耳鼻咽喉科、および同院脳神経外科にてNF2と診断された症例で、遺伝子検査の同意が得られ、末梢血を採取し、DNAを抽出した8症例に対し、次世代シークエンサーによる遺伝子解析と病原性の検討を行った。8例中7例については既に解析結果が得られており、このうちnonsense変異は2例、frameshift変異は2例、splice site変異は1例あり、これらはtruncating変異と考えられた。またこれら5例についてACMGガイドラインをもとに、病原性の検討を行ったところ、全例においてpathogenicと考えられた。その他の2例のうち、1例は3塩基分の短いdeletionを認めた症例であった。この症例はnon-truncating変異と思われ、病原性の検討を行ったところ、likely pathogenicであった。残りの1例については次世代シークエンサーで変異は検出されなかった。この症例については、次世代シークエンサーでは検出できないような大きなdeletionが存在している可能性を考え、MLPA法による解析を行った。しかし大きなdeletionも検出されず、NF2遺伝子の異常については不明という結果となった。この症例については、末梢血から変異が検出されない、体細胞モザイクの可能性が考えられた。これら7症例に対して臨床経過との対比を行ったところ、truncating変異例では発症年齢が低くなる可能性が考えられた。遺伝子解析を完了していない症例もまだ1例あるため、結果が得られ次第、この症例も含めた臨床経過との対比を行ってゆく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
遺伝子解析に時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
まだ遺伝子解析の結果の出ていない症例についての解析を完了する。その後NF2遺伝子がコードするMerlinの立体構造予測や機能変化についての検討も行う。
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Causes of Carryover |
研究の遅れのため年間で使用する金額が予定より少なくなった。今後研究を進めるにあたり、計画していた使用額となる見込みである。
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