2018 Fiscal Year Annual Research Report
Oxidative Stress and Advanced Glycation End Products in the Diabetic Retinopathy
Project/Area Number |
17K16962
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
鳥山 佑一 信州大学, 学術研究院医学系, 助教 (90757759)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 糖尿病網膜症 / 酸化ストレス / 終末糖化産物 |
Outline of Annual Research Achievements |
事前に同意が得られた39例39眼(糖尿病群24眼、対照群15眼)に対して、術前に水晶体自発蛍光測定値(以下Lens-AF)を測定、手術時に前房水を採取し酸化還元電位(以下ORP)を測定した。さらにマルチプレックスアッセイを用いて前房水サイトカイン濃度を測定した。 Lens-AFと前房水のORPは、いずれも糖尿病群が対照群に比べ有意に高値であり、また糖尿病網膜症の重症度別では網膜症を認めない糖尿病症例に比べ、非増殖糖尿病網膜症、増殖糖尿病網膜症と重症になるにつれ高値を示し、統計学的に有意な相関を認めた。一方で、Lens-FRと前房水ORPとの間には有意な相関は認めなかった。 糖尿病群における術前血糖コントロールの指標として測定したHbA1cとLens-AFおよび前房水ORPとの関連について解析したが、いずれも有意な相関関係は認めなかった。またHbA1cと糖尿病網膜症の重症度にも相関は認めなかった。 測定した前房水サイトカインの中でもVEGF濃度は糖尿病網膜症の重症度と強い相関を認め、前房水ORPとVEGF濃度との間にも強い相関関係を認めた。Lens-FRとVEGF濃度との間には有意な相関は認めなかった。 Lens-FRと前房水ORP、前房水VEGF濃度はいずれも糖尿病網膜症の重症度と有意な相関を認め、ORPとVEGF濃度が強い相関を認めたがLens-FRは他のパラメーターのいずれとも相関関係は認めなかった。眼内の酸化ストレス状態を反映する前房水ORPは、測定時点での網膜症の病勢により強く影響を受け変動する指標であり、不可逆的な変化である終末糖化産物の蓄積を反映する水晶体自発蛍光値は、測定時の網膜症の活動性ではなく高血糖に暴露された期間の長さにより強く影響されると考えられ、それぞれ独立した糖尿病罹病期間と網膜症の活動性を評価する有用な指標となる可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)