2017 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of molecular mechanism of itching caused by prostaglandin D2 and histamine and its therapeutic drug development
Project/Area Number |
17K16970
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
守田 裕希子 山口大学, 大学院医学系研究科, 助教 (30725669)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | アレルギー性結膜炎 / PGD2 / DP 受容体アンタゴニスト |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的はアレルギー性結膜炎におけるプロスタグランジンD2(PGD2)の炎症に伴う掻痒感の分子メカニズムの解明を行い、アレルギー性結膜炎の炎症に基づいた掻痒感に対する新たな治療薬の開発を行う。アレルギー性結膜炎に対する治療薬としては、メディエーター遊離抑制薬やHistamin H1受容体拮抗薬とに大別されており、PGD2あるいはその受容体をターゲットとした治療薬の開発には至っておらず、HistamineとPGD2の相互作用についても解明されていないため、研究期間中に解明することを目的としている。 培養神経細胞であるラット副腎褐色細胞腫由来のPC12を用いて、nerve growth factor(NGF)存在下、非存在下にてPGD2、Hitamine、Epinastineで刺激後の神経突起伸張作用を検討したところ、NGF存在下ではPGD2濃度依存性に神経突起伸張作用促進を認めた。NGF存在下でHistamine、Epinastine刺激を行っても濃度にかかわらず神経突起伸張作用は有さず、NGF非存在下では薬剤にかかわらず神経突起伸張作用は認めなかった。また、EpinatsinはNGF存在下でのPGD2による神経突起伸張作用を抑制しており、H1受容体拮抗薬であるEpinastineはPGD2にも作用する可能性が判明した。 またNGF存在下において、HistamineとPGD2同時刺激を行った場合には、PGD2単独よりも神経突起伸張作用を有しており、HistamineとPGD2の相互作用があるものと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Histamine受容体阻害剤については研究初年度に評価を行えたが、PGD2受容体阻害剤についての評価を行った。またin vivoモデルについても研究の進捗状況に合わせて、2年目に評価を行うよう変更した。
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Strategy for Future Research Activity |
神経細胞を用いたPGD2やHistamine刺激による炎症反応についてReal-time PCRやmulti-plex systemを用いて検討を行った。また、各刺激後の細胞内シグナル変化について、細胞内Ca2+濃度を測定して評価を行う。 また、アレルギー性結膜炎モデルのラットを用いて、Histamine受容体阻害剤、PGD2受容体阻害剤、PGD2受容体アゴニスト投与を行い、各種薬剤投与によるひっかき行動の変化について検討を行う。また、血管透過性に対する薬物の治療効果についても検証を行う。
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Causes of Carryover |
本年度にin vivoモデルでの研究を行う予定であったが、平成30年度に変更したため、購入費について未使用額が生じた。 この未使用額については、平成30年度にin vivoモデルでの検討に用いる購入費に充てる。
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Research Products
(15 results)