2018 Fiscal Year Research-status Report
ヒト極性網膜色素上皮細胞を用いた上皮間葉転換早期の病態解明
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17K16974
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
寺崎 寛人 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (20746888)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 網膜色素上皮細胞 / 上皮間葉転換 |
Outline of Annual Research Achievements |
1年目に実施した実験結果から、非極性網膜色素上皮細胞(RPE)に対してはTGF-betaの濃度:5-10ng/mlで上皮間葉転換のマーカー蛋白の発現の変化が確認できたので、極性RPEに対してもまずはTGF-beta5ng/mlで48時間培養を行った。 その結果、本条件では現在の所、顕微鏡下では明らかな形態的な変化は確認できなかった。また、TUNEL染色で細胞毒性を評価したが、TUNEL陽性細胞数はコントロール、TGF-beta刺激群で差はなく今回の条件では、細胞死を誘導しないことが分かった。バリア機能を反映する経上皮電気抵抗値の値も、現在までの予備実験の結果ではコントロール・TGF刺激群で有意差はなかった。今後、TGF-betaの濃度を変化させて結果を比較することや、RPEが分泌する蛋白(血管内皮増殖因子など)の変化をELISA法で検証予定である。 尚、当科で以前より注目していたβA3/A1-crystallinという蛋白が極性のあるRPEにおいて発現が非常に高く、RPEの上皮間葉転換に重要な蛋白であることが、ピッツバーグ大学・ジョンスホプキンス大学との共同研究で証明され、本年のInvestigative Ophthalmology and Visual Science誌の萎縮型加齢黄斑変性特集号に採択された。今後は、βA3/A1-crystallinの発現が上皮間葉転換においてどのような変化を示すか実験を計画予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初、予想していたよりも極性RPEのTGF-betaに対する反応がコントロールと比較して大きくなかった。今後、条件を変更するか・比較的反応の大きかった非極性RPE細胞を中心とした実験を行い結果をまとめるか検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
極性RPEを中心とした研究を継続する場合、コントロールと大きく差がつくような実験条件を調べる予備実験を追加で行うか、まずは比較的反応の大きかった非極性RPE細胞を中心とした実験を行い結果をまとめるか検討している。 また、上記の通りβA3/A1-crystallinの発現の変化を調べることも検討したい。
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Causes of Carryover |
物品費が想定額を下回ったのが、次年度の国際学会出張と試薬・細胞関連の購入に使用を予定している。
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Research Products
(17 results)