2018 Fiscal Year Research-status Report
加齢黄斑変性における自然免疫の関与解明と臨床への応用
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17K16977
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
富安 胤太 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 研究員 (70770436)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 脈絡膜新生血管 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、マウス実験的脈絡膜新生血管(CNV)における、HMGB1の関与解明を目的とした。 1.抗HMGB1抗体によるマウス実験的CNVの抑制効果の検証 C57BL6Jマウスの眼底にレーザーを行い、CNVを作成した。レーザー施行直後に硝子体内に抗HMGB1抗体を投与した。反対眼にはアイソタイプのIgG抗体を同様に投与した。レーザーと硝子体注射6日後にフルオレセイン蛍光眼底造影検査(FA)を行い、CNVを染色し、CNVの活動性を比較した。また7日後に眼球摘出した後フラットマウントを作成し、レクチンで標識したFITCでCNVを染色し共焦点顕微鏡で撮影し、ImageJソフトウェアを用いてCNVの体積を測定し比較した。抗HMGB1抗体を投与したものでは、対照と比較して有意にCNVが抑制されていることが確認できた。またFAでもCNVの活動性が抑制されていた。 2.抗HMGB1抗体投与による炎症性サイトカインの抑制 C57BL6Jマウス眼底にレーザーを施行し、CNVを作成後、12h, Day 1, Day 3, Day 7で眼球摘出し、網膜とRPE-Choroid複合体を分離し 、ELISA kitでMCP-1, IL-6, VEGFのタンパク量を測定した。12h、Day 1、Day 3で、それぞれのタンパク量が過剰に発現していることが確認できた。次に、同様にマウス眼底にレーザーを行った後に抗HMGB1抗体あるいはアイソタイプIgGを硝子体中に注射し、過剰に発現したサイトカインが抗HMGB1抗体を投与したものでは抑制されることが確認できた。以上より、HMGB1阻害は、細胞外炎症性サイトカインの発現を抑制し、CNVが縮小することが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
CNVを有する加齢黄斑変性患者の前房水サンプルの収集が遅れている。未治療症例数が少ないためである。 また関連病院に出向になり、動物実験に十分な時間を確保することが困難になっているため。
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Strategy for Future Research Activity |
未治療症例の前房水サンプルの収集に励む。最終的には学会発表、英文論文作成を目標とする。
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Causes of Carryover |
購入を予定していた試薬など物品の納品が間に合わなかったため。次年度に購入する。
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