2018 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the Pathology of Sarcoid uveitis from the Viewpoint of Infectious Etiology
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17K16978
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
永田 健児 京都府立医科大学, 医学部附属病院, 専攻医 (00457988)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | Propionibacterium acnes / サルコイドーシス / ぶどう膜炎 / 硝子体手術 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)Propionibacterium acnes (P. acnes)が眼サルコイドーシスに関与するかどうか検討するため、網膜生検を実施しP. acnesに特異的なPAB抗体による免疫組織化学での検討を行い、サルコイドーシスの症例は82%の症例において網膜内にPAB陽性の円形体を認めた。一方コントロール群では1例も検出さず、P. acnesの眼サルコイドーシスへの関与を強く示唆する結果が得られた。本研究の論文投稿において、コントロールの追加の必要性を指摘されたため、サルコイドーシス以外のぶどう膜炎症例において追加実験を行った。その結果でもコントロール群では全例でP. acnesは検出されず、サルコイドーシスぶどう膜炎にP. acnesが関与することがより強調される結果となった。 (2)サルコイドーシスぶどう膜炎では硝子体中のHP proteinなどのタンパク質がupregulateしていることがわかった。 (3)サルコイドーシスぶどう膜炎に対する硝子体手術の長期成績を検討し、視力及び中心網膜厚は術前に比較し術後有意に改善し、術後3年まで維持されており、サルコイドーシスぶどう膜炎に対する硝子体手術は長期的に有効であることがわかった。硝子体の除去がP. acnesに関与する炎症のコントロールに寄与している可能性も考えられる。 (4)臨床的に評価項目として種々の項目を行ってきたが、特に前眼部OCTでは新たな知見としてぶどう膜炎のうちVogt-小柳-原田病や急性前部ぶどう膜炎では毛様体剥離の頻度が高く、その剥離の高さが高いことがわかった。一方でサルコイドーシスでは高さは低く頻度は低いものの毛様体剥離が見られる症例も認められることがわかり、今後さらなる他の臨床像や眼内液との解析を組み合わせることで、病態解明や治療につながる可能性が考えられる。
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