2017 Fiscal Year Research-status Report
Functinal analysis of tissue-resident macrophages in bacterial keratitis
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17K16985
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
成松 明知 東京医科大学, 医学部, 助教 (20617625)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 細菌性角膜炎 / 組織常在型マクロファージ / 血管新生 / リンパ管新生 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度はリンパ管新生に組織常在型マクロファージがどのように影響しているかについて、クロドロン酸リポソームを用いて検討した。クロドロン酸リポソームを感染後 4,8,12 日後に腹腔内投与することにより、全身から遊走するマクロファージを除去し、組織常在型マクロファージのみ機能する状態で角膜に緑膿菌を接種し、14 日後に角膜を採取し、リンパ管新生について評価した。同様に、クロドロン酸リポソームを感染後 4,8,12 日後に点眼および結膜下に投与することにより、組織常在型マクロファージのみを除去した状態での血管、リンパ管についても評価し比較検討した。その結果、クロドロン酸リポソームを全身投与した群のみリンパ管新生は抑制されていた。これらの結果から、細菌性角膜炎においては、リンパ管新生は組織常在型マクロファージではなく、全身から遊走される単球性マクロファージが関与している可能性が示唆された。今後は、組織常在型マクロファージが感染時にどのような動態を示すかをLysM+/GFP マウスを用いて観察していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験に必要な数のLysM+/GFPマウスを確保するのに時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
リンパ管新生に関しては、主に全身から遊走された単球由来マクロファージが関与していることが現在までに明らかになったが、血管新生とのタイムラグのメカニズムは明らかにされていない。仮説通りであるとすると感染初期には、組織常在型マクロファージがリンパ管を抑制する機能を持つため、まず感染成立期におけるマウス角膜の組織常在型マクロファージの動態を経時的に観察する。
平成30年度は、LysM+/GFPマウスを用いてマクロファージの動態を観察する。さらにジフテリアトキシン(DTR)マウスを交配することにより、ジフテリアトキシン接種 後に特異的にマクロファージを除去するマウスを作成し、緑膿菌感染 2 日前、感染後 4,8,12 日後にジフテリアトキシンを投与 する群に分けて、組織常在型マクロファージの動態が除去される時期により、どのように変化するかを観察する。さらに感染 14 日後に角膜を採取し、血管リンパ管を評価し、マクロファージが感染のどの時期に脈管 形成を来しているかを明らかにしていく予定である。そのため、LYsMーGFPマウスの飼育およびDTRマウス購入に伴う諸経費が引続き必要となる。
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Causes of Carryover |
少額の端数を繰り越したため、次年度に使用額が生じた。
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Research Products
(3 results)