2021 Fiscal Year Annual Research Report
The effects of DNA damage response to retinal regeneration in mammalian retina
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17K16989
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
蒋池 かおり 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (90792408)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ミュラーグリア / 網膜 / 再生 / 貪食 / 増殖 / グリオーシス / MNU |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らは本研究開始前に、ラットにおけるN-methyl-N-nitrosourea (MNU) 誘発視細胞傷害モデルでは、網膜傷害後のミュラーグリアが一過的な増殖と同時にDNA損傷応答を呈し減少することを報告しており、平成29年度には、ミュラーグリアの減少はアポトーシスによるものであること、MNUにより変性した視細胞をミュラーグリアが貪食していること、平成30年度には、フォスファチジルセリン(PS)の認識を阻害するとミュラーグリアの増殖と貪食能が抑制されることを見出した。令和元年度には、貪食の過程においてPSの認識に引き続いて起こるアクチンの再編成に必須の因子、Rac1をミュラーグリアが変性視細胞貪食時に発現しており、Rac1の活性化を阻害するとミュラーグリアの増殖と、貪食能が抑制されること、さらに、PSの認識とRac1の活性化阻害により、グリオーシスマーカーであるGFAPの発現が抑制されることを見出した。以上の結果から、ラットのMNU誘発視細胞傷害モデルでは、ミュラーグリアが変性視細胞のPSを認識することで網膜の変性を感知し、引き続きRac1が活性化することで増殖、グリオーシス、変性視細胞の貪食が引き起こされていることが示唆され、申請者らは令和2年1月30日に上述の結果をScientific Reportsにて報告した。令和2年度には、上述の成果を発展し、PSの受容体について検討し、TAM (Tyro3/Axl/Mer) 受容体チロシンキナーゼが関与している可能性があることを見出した。本年度では変性視細胞から漏出したATPをミュラーグリアがプリン受容体を介して受容している可能性を示唆する結果が得られた。今後も引き続き、ミュラーグリアの増殖を制御するメカニズムを解明していくことで網膜の再生を活性化する手法を探索し、網膜再生医療に寄与することを目指したい。
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Research Products
(2 results)