2018 Fiscal Year Research-status Report
MMP9を標的とした翼状片発症機構の解明と予防薬の開発に関する研究
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17K16991
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
柴田 奈央子 金沢医科大学, 医学部, 助教 (20534647)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ヒト翼状片線維芽細胞 / MMP9 / KRT24 / αSMA / Prdx6 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々の前回までの研究で、ヒト翼状片線維芽細胞においてMMP9を抑制することにより上皮間葉系移行に関与するalpha-smooth muscle action(αSMA)やperoxiredoxin (Prdx) 6遺伝子の発現も抑制される傾向にあり、MMP9抑制により翼状片発症伸展を予防できる可能性が示唆された。我々はMMP9抑制物質のノビレチンに注目し、その抑制効果についてヒト翼状片線維芽細胞を用いて検討した。ノビレチンは柑橘類の果皮等に多く含まれる有機化合物フラボンを骨格に持つポリメトキシフラボノイド(O-メチル化フラボノイド)の一種であり、ノビレチンの後発白内障抑制効果などの報告もされている物質である。 スクリーニングしたフラボン化合物として4デメチルノビレチンを使用し、ヒト翼状片線維芽細胞に添加しUV-B紫外線照射(100mj)を行い照射前後でのMMP9阻害作用をリアルタイムRT-PCR法にて測定した。同様の方法で化合物ではないノビレチンを添加した場合においても検討した。 結果、UV-B照射によりコントロール群はMMP9の発現が増加した。4デメチルノビレチンを添加した群は、照射前よりも照射後にMMP9発現抑制効果がみられた。ノビレチンを添加した群にはMMP9発現抑制効果はみられなかった。 このことにより、ノビレチン化合物のMMP9抑制効果の可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画に沿って実験が遂行出来ている。
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Strategy for Future Research Activity |
他のフラボン化合物においても検討しヒト角膜上皮初代培養細胞なども用いMMP9抑制効果および細胞死抑制効果、EMTに対する影響を観察、測定を行い翼状片予防薬の開発に努める。
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Causes of Carryover |
次年度の実験に必要な試薬を購入する。
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