2019 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluation of the minimally invasiveness of laparoscopic surgery focusing on immune cell responses in the intestine
Project/Area Number |
17K17000
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大島 一夫 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (20764880)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 新生児壊死性腸炎 / 腸管免疫 / single-cell RNA sequence |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度まではマウスを使って開腹手術・腹腔鏡手術に準じた侵襲を与える実験モデルを作成し、実験を行った。平成30年度からは臨床現場で切除したヒト症例の腸管を検体とする方針に変更した。つまり、ヒトの腸管においても腸管免疫細胞が腸管の炎症に関与していると仮説を立て、免疫細胞の分布や機能を評価した。 結果、手術において切除されたヒト腸管合計71検体に対して、フローサイトメトリーを行った。そのうち14例については、単細胞網羅的解析を行い、6例についてデータを得ることができた。うち4例が比較的同時期の新生児小腸検体だったため、壊死群:新生児壊死性腸炎(NEC) 2例と、非壊死群:限局性腸穿孔1例+胎便栓による穿孔1例の2群に分け、遺伝子発現データを比較した。各検体8,295~13,882細胞分の遺伝子発現データを、統計解析ソフト”R”と、single-cell解析用packageのSeuratを使用して主成分分析を行い、遺伝子発現パターンから25個の細胞群にクラスタリングした。 2群間で細胞群ごとに発現遺伝子を比較した。壊死群では、NECに関する既知遺伝子であるVEGFA、TNF、CD14、IL1B、IL1RN、IL6、IFNG、DPF3、CAMK4、NFKB1、TGFB1、SIGIRR、CCL2、CCL4、CCL5、MYC、PIPK2、CXCL1、CXCL3、CXCL8、CXCL12、などの遺伝子が有意に高発現していた。 Gene set enrichment analysisで各細胞群におけるパスウェイの発現も評価した。壊死群ではMYC targets、mTORC1 signaling、TNFA signalingなど炎症に関する経路が有意に高発現していた。 現状ではこれらのうち、壊死群に特徴的な広範囲腸管壊死や高度炎症に関してどの遺伝子発現が原因として関与しているのかは不明である。
|