2017 Fiscal Year Research-status Report
ヒト神経芽腫に対するSemaphorin 3による抗腫瘍効果の検討
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17K17006
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
星 玲奈 日本大学, 医学部, 専修医 (20793772)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 小児腫瘍学 / 神経芽腫 / Semaphorin / Neuropilin / 細胞浸潤能 / 細胞遊走能 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、複数のヒト神経芽腫細胞株におけるNRP1およびNRP2の発現を解析し、それぞれ高発現株・低発現株の選定を行った。さらに、選定したヒト神経芽腫細胞株における、SEMA3A、SEMA3B、およびSEMA3F添加による細胞増殖能、遊走能、浸潤能の解析を行った。 ヒト神経芽腫細胞株(NB1、NB9、NB69、Kelly、SH-SY5Y、SK-N-SH、SK-N-AS)におけるNRP1およびNRP2の発現をReal-time PCRおよびWestern blottingで解析し、NRP1はSK-N-ASで、NRP2はKellyで発現が高いことを確認した。以降、NRP1を受容体とするSEMA3AおよびSEMA3Bの実験ではSK-N-ASを、NRP2を受容体とするSEMA3Fの実験ではKellyを使用することとした。SK-N-ASにSEMA3AまたはSEMA3Bを、KellyにSEMA3Fを添加し、24時間後の細胞増殖能をWST-8 assayで解析したが、いずれにおいても添加群は非添加群と比較し有意な細胞増殖抑制効果を示さなかった。細胞遊走能についてWound healing assayで解析すると、SEMA3AおよびSEMA3Bにおいては、それぞれ添加後24、48時間の時点で有意な抑制効果を示したが、SEMA3Fにおいては添加後48時間までに有意な抑制効果は認めなかった。細胞浸潤能についてMatrigel invasion assayで解析すると、SEMA3Aにおいては添加後24時間の時点で有意な抑制効果を示したが、SEMA3Bにおいては有意な抑制効果を認めなかった。一方、SEMA3Fにおいては有意な浸潤能の亢進を認めた。 以上より、SEMA3サブタイプのうちヒト神経芽腫細胞株に対し抗腫瘍効果を示すものとして、SEMA3Aに絞り込むことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ヒト神経芽腫細胞株におけるNRP1およびNRP2の高発現株を選定し、それぞれを受容体に持つSEMA3サブタイプを添加することによる腫瘍への影響(細胞増殖能、細胞遊走能、細胞浸潤能)を解析した。SEMA3サブタイプの中では、特にSEMA3Aがヒト神経芽腫細胞株に対し抗腫瘍効果を認めることが確認できた。しかし、選定した細胞株に対しsiRNAを導入し、NRP1およびNRP2発現抑制下でのSEMA3サブタイプ添加による腫瘍への影響についてはまだ検討していない。そのため、進捗状況はやや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はSEMA3サブタイプの中で一番抗腫瘍効果を認めたSEMA3Aに絞って検討を継続する。SK-N-ASに対しsiRNAを導入し、NRP1およびNRP2発現抑制下でのSEMA3A添加による腫瘍への影響を検討する。さらにSEMA3Aを添加し、神経分化マーカー(Transglutaminase 2, Tyrosine Hydroxylase, β3-tubulin, Paired-Like Homeobox 2bなど)の発現をReal-time PCR、Western blotting、免疫染色で解析することにより、神経分化誘導の可能性について検討する。分化誘導活性を認めた場合、既知の治療法である13-cis RAとの効果の比較および併用による相乗効果について検討する。In vitroにおいてSEMA3Aの十分な抗腫瘍効果を確認できた場合、腫瘍モデルマウスを作製し、in vivoにおけるSEMA3Aの抗腫瘍効果を検討する。
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