2019 Fiscal Year Annual Research Report
Widespread injury of intestinal serosa with type I collagenase promote colonization of transplanted enteric neural stem cells
Project/Area Number |
17K17008
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
安井 良僚 金沢医科大学, 医学部, 助教 (10595325)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 腸管神経堤由来細胞 / 細胞外マトリクス |
Outline of Annual Research Achievements |
Hirschsprung病などの腸管神経節異常症は、先天的な腸管神経系の欠如が原因とされ、現在の外科切除に代わる治療法として、無神経節腸管に腸管神経系を構築する細胞補充療法の研究が進められている。しかし、腸管神経節は、腸管神経の起源である腸管神経堤由来細胞(ENCCs)が全腸管にわたり遊走して形成されるが、この遊走が発生の特定の時期(マウスでは胎生14.5日まで)にしか起こらないため、その効果は限局的である。我々は、昨年度までの研究で、フィブロネクチンがENCCsの遊走促進に、腸管の漿膜に多く局在するVI型コラーゲンが抑制に働くことを見出した。この結果を受け、ex vivoの移植系を使い、コラゲナーゼ処理による漿膜の損傷と、フィブロネクチンの塗布が移植効率に影響を持つか調べたところ、移植効率の促進効果を持つことが明らかになった。さらにマウスを使いin vivoの移植を試み、コラゲナーゼとフィブロネクチン処理のマウスへの影響と移植効率を調べたところ、ex vivoの移植実験と同様に、移植効率の増加が確認された。 ドナー神経幹細胞を受容可能な腸管にするこれらの発見は、腸管神経節異常症の細胞療法の可能性を広げる一助になると期待される。
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