2017 Fiscal Year Research-status Report
ヒト軟骨前駆細胞由来膜状軟骨によるオーダーメイド軟骨再構築法の開発
Project/Area Number |
17K17025
|
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
鍵本 慎太郎 横浜市立大学, 附属病院, 助教 (10737480)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 軟骨再生医療 / オーダーメイド軟骨再構築法 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はヒト耳介軟骨前駆細胞を用いて軟骨再生医療の臨床応用を目指し,既に基礎研究からカニクイザルを用いた前臨床研究を行い一定の成果を得ている.しかし現行の方法において再構築組織の大きさや形態の調整,均一な再構築組織作製に課題がある.そのため新規方法として膜状軟骨によるオーダーメイド軟骨再構築法に着目した.本方法は①任意の大きさや形態の軟骨再構築を得るためのチタン型を作製し,そこに②in vitroで作製した膜状軟骨を重ねる方法であり,効率的で高品質なオーダーメイドの形態を持つ軟骨の創出を目指す. 平成29年度は3Dプリンターの購入した.3Dプリンターを利用することで,患者のCT画像からDIVCMデータを取り出し,患者の耳介の実体モデル型を作製することに成功した.ただし,チタンを造形することは金銭的に困難であるため,モノフィラメントの樹脂を用いて作製するよう計画を変更した.実際小耳症患者では片耳のみ小耳症のケースが全体の9割であるため,健側耳介形態をミラーリングすることで良好な耳形態を描出できると考えた.当院のソフトウェアでは対応不能であったが,試行錯誤の末,フリーソフトウェアを用いてミラーリングした耳介の作製に成功した. また平成29年度は軟骨膜細胞を用いた軟骨培養,軟骨再構築実験を施行した.小耳症患者から残存耳介軟骨を採取し(当院倫理委員会申請済),軟骨膜細胞の採取,細胞培養,軟骨分化誘導実験を施行した.現在は膜状軟骨作製を目指し細胞培養中であり,今後組織学的検討や免疫不全動物下への移植実験を施行予定である.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
膜状軟骨によるオーダーメイド軟骨再構築法のうち,①任意の大きさや形態の軟骨再構築を得るための(チタン)型を作製する点については,雛型の素材を変更した点以外においては目標どおりの結果を得た.②in vitroで作製した膜状軟骨を重ねる方法については,耳介軟骨膜細胞の採取,培養実験は施行しているが,必要試薬の不足等あり膜状軟骨作製とその評価が遅れている.現在遅れを取り戻すべく,動物実験と平行して基礎的な培養実験を行い評価予定である.
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究をとおして,効率的で高品質なオーダーメイドの形態を持つ軟骨の創出を行い,基礎的な検討を行う.従来の方法を凌駕する結果となれば,再生医療新法下での臨床研究の実施を目指す.その際膨大な量の申請書類が必要となるが,現在までに再生医療新法下での臨床研究実施に向けた書類準備を他の研究で既に概ね終えているため,部分修正することで書類の申請が可能である.早期申請に向け,基礎研究の推進を目指す.
|
Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由としてはいくつかある.国際学会用に捻出した旅費が別予算で計上しえたことや,物品の購入の遅れなどがある.今後の使用計画としては,主に実験必要物品の購入を行う予定である.また成果報告用の論文構成や国際学会での成果発表用に使用予定である.
|
Research Products
(4 results)