2017 Fiscal Year Research-status Report
クロストリジウムヒストリチクム菌由来コラゲナーゼの瘢痕治療への応用
Project/Area Number |
17K17029
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
松永 洋明 杏林大学, 医学部, レジデント (40792966)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | クロストリジウムヒストリチクム菌由来コラゲナーゼ / ケロイド / 肥厚性瘢痕 / 瘢痕拘縮 |
Outline of Annual Research Achievements |
マウスの皮下にヒト瘢痕組織を埋入する動物瘢痕モデルを作成することを目標とした。瘢痕組織へクロストリジウムヒストリチクム菌由来コラゲナーゼを注入して瘢痕への治療的効果を評価した。評価方法は組織重量、組織学的評価、コラーゲン定量を行なった。 1)ヒト瘢痕組織埋入マウスモデルの作成とコラゲナーゼ注入:ヒト肥厚性瘢痕組織またはケロイド瘢痕組織を、直径5mm、厚さ3mmの円盤状に切り出し、ヌードマウス背部に、正中切開から両側背部の皮下組織に埋入した。2週間後、国内で製造販売承認が得られているクロストリジウムヒストリチクム菌由来コラゲナーゼ(ザイヤフレックス:旭化成ファーマ株式会社)を、マウス皮下に移植した瘢痕組織に直接注入した。対側にはコントロールとしてコラゲナーゼと同量の生食を注入した。さらに4週間後、移植組織と直上のマウス皮膚を切除し、組織重量および組織学的評価とタンパク量の評価を行なった。 2)組織学的評価:切除した組織をパラフィンに包埋して薄切し、ヘマトキシリン・エオジン染色で形態・構造を観察した。また、コラーゲンを染色してコラーゲン繊維の配列を観察し、CD31免疫染色で血管のサイズと数を定量的に評価した。 3)タンパク量の評価:採取した組織をホモジナイズし、コラーゲン定量キットを用いてヒドロキシプロリン量を定量した。また、ホモジナイズ後にウェスタンブロット解析を行い、1・3・4型コラーゲン抗体を用いて定量的に発現を評価した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
移植する瘢痕組織(手術検体)が予定より少なく、動物モデルの確立に時間がかかっている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
早期に動物モデルを確立させ、クロストリジウムヒストリチクム菌由来コラゲナーゼの治療効果および安全性評価を検証する段階に移行する予定である。
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Causes of Carryover |
移植する瘢痕組織(手術検体)が予定より少なく、動物モデルの確立に時間がかかっている状況のため未使用額が生じた。 早期に動物モデルを確立させ、クロストリジウムヒストリチクム菌由来コラゲナーゼの治療効果および安全性評価を検証する段階に移行する予定であり、当未使用額は動物モデルの確立のための試薬代などで使用する。
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