2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a novel therapeutic method for diabetic foot ulcers using human adipose-derived stem cell sheets
Project/Area Number |
17K17036
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
加藤 ゆか 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (20646616)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 糖尿病足病変 / 再生医療 / 細胞シート工学 / 脂肪由来幹細胞 / 創傷治癒 |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病足病変(足潰瘍、足壊疽)は神経障害や血管障害を伴った破壊的病変で、易感染性かつ難治性である。症状が進行すると下肢切断を余儀無くされ、その生命予後は不良である。早期に創傷治癒を促す新規治療法の開発が求められるが、有効な治療法は確立されていない。そこで、細胞シート工学を用いた再生医療と人工真皮を組み合わせ、有効な治療法の確立を目標とした。我々は、すでに作製に成功しているラット脂肪由来幹細胞シートと人工真皮を併用した創傷治癒促進について、肥満2型糖尿病モデルラットの他家移植で成果を示し(Katoら Diabetes 2015)、その後、実験プロトコルの詳細な手順、注意点等を細かに記載した論文を発表し、手順の映像も示した(Katoら Journal of Visualized Expreriments 2017)。また、当研究チームの濱田を筆頭に、5名のヒト脂肪細胞から抽出した脂肪幹細胞において、染色体検査、自己複製能、多分化能、表面抗原マーカーの確認、培養上清における成長因子の定量解析、細胞増殖率、生存率、剥離試験の評価を行い、作製したヒト脂肪由来幹細胞シート(hASCシート)を肥満2型糖尿病モデルラットに移植を施行した。その結果、hASCシート作製のプロトコルを確立することに成功し(Hamadaら Regenerative Therapy 2017)、肥満2型糖尿病モデルラットの創部において、hASCシートは異種移植で有意な治癒促進が観察された。その後ヒト臨床治験を見据えた大動物実験への移行を検討したが、研究代表者の体調不良、出産、育児などで研究が一時中断となり、2020年以降はcovid-19の影響により施設移動、研究施設の一時的な閉鎖、人員削減に伴う業務の大幅な増加で研究の再開が困難となり、2022年に研究を再開したものの論文等での成果を挙げるには至らなかった。
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