2018 Fiscal Year Annual Research Report
Immunologic assessment in lymphedema adipose tissue and establishment of immuno-reconstruction
Project/Area Number |
17K17040
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
田代 絢亮 自治医科大学, 医学部, 助教 (20622070)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | リンパ浮腫 / 脂肪由来間葉系幹細胞 / MSC |
Outline of Annual Research Achievements |
リンパ浮腫は、その初期においては、リンパ液の貯留により、リンパ管内圧の上昇が起きる。この状況が持続すると、リンパ管の平滑筋細胞の非可逆的な変性が起き、リンパ管の正常な収縮能が徐々に障害を受けていく。貯留したリンパ液は皮膚の毛細リンパ管へと逆流し、ICGリンパ管造影検査などで、皮膚逆流所見(dermal backflow pattern: DBF)として認知される。さらに貯留したリンパ液は脂肪組織の増生を引き起こす。増生した脂肪組織はさらにリンパ管にかかる負荷を増加させ、ポンプ作用を阻害する。このようなリンパ液の貯留、リンパ系の負荷と損傷、脂肪組織の増生が繰り返され、浮腫はますます悪化する。そして疾患の進行により、治療の難度も上がる。治療の方法としては、圧迫療法を中心にした保存療法、外科的治療として浮腫組織切除、顕微鏡を用いたリンパ管静脈吻合やリンパ節移植術、脂肪吸引術などが行われているが、リンパ浮腫のどの段階でどの治療が用いられるべきかなど、まだまだ議論の余地が多い。 我々は、リンパ浮腫脂肪組織の臨床検体の解析を行った。免疫組織化学染色、ホールマウント染色、フローサイトメトリー解析を行い、リンパ浮腫脂肪組織における各種細胞の変化、免疫機能の変化を解析することができた。長期に渡るリンパ液の貯留状態は、慢性炎症や進行性の線維化、脂肪組織の恒常性の破綻、再生能の減少、免疫細胞の異常などの変化を引き起こしていた。これらの病理学的変化は進行性で非可逆的であるため、早期の治療介入が重要と考えられる。また、各病期における最適な治療選択を考える上でも、本研究の視点は役立つと考えられる。リンパ浮腫の脂肪組織に関しては、まだ分かっていないことも多く、さらなる研究の促進がよりよい治療戦略へと結びつくだろう。
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[Journal Article] Therapeutic effects of a recombinant human collagen peptide bioscaffold with human adipose-derived stem cells on impaired wound healing after radiotherapy.2018
Author(s)
Mashiko T, Takada H, Wu SH, Kanayama K, Feng J, Tashiro K, Asahi R, Sunaga A, Hoshi K, Kurisaki A, Takato T, Yoshimura K.
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Journal Title
J Tissue Eng Regen Med.
Volume: -
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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