2018 Fiscal Year Research-status Report
Role of microvesicles in organ injury in patients on ECMO
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17K17044
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
塩田 修玄 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 特任助教 (30771779)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 集中治療医学 / 補助循環 / ECMO / 生理学 / 免疫学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は1) 小児・成人ECMO 症例におけるMV と臓器障害の関連についての国内多施設研究、2) ECMO 回路の各構成要素がMV 産生・活性化に果たす役割の解明、3) in vitro/vivo 実験系を用いたECMO 症例におけるMV の生理的活性の評価、を目指しており、本年度は1)と2)を中心に研究を進めた。 MVを始めとした細胞外小胞の測定は世界的に注目が集まっているが、測定系の標準化が完全に成されていないこともあり、その測定と解釈には十分な知識と技術・経験を要する。我々の研究室においてはこの数年に渡ってMV測定を行ってきたが、今年度においては測定可能なMVの種類が大幅に増加した。具体的には肝細胞・赤血球・血小板などについての測定プロトコールを作成した。 加えて、ECMO回路がMVの吸着に果たす役割についての研究を進めて、この成果は細胞外小胞の国際学会であるISEVにて発表を行った。現在、本成果の内容を基に産学連携を行う方向で共同研究契約の手続きが進められており、2019年度における本研究プロジェクトのさらなる発展が期待される。具体的には日本赤十字社からの協力も経て、模擬ECMO回路の作成が検討されている。 臓器障害がMVの測定に与える影響を調べるに当たって、実験的肝不全モデルも作成しており、その成果については2019年度の発表を目指している。 国内共同研究者とは倫理審査に向けた手順の確認や連携体制の強化を継続的に図り、国際共同研究者との打ち合わせは継続的に行っており、2019年度にも打ち合わせを国内外で継続的に行う方向で調整を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本プロジェクトの中心として大学院生が新規加入となったが、トレーニングの時間や各種手続きに時間がかかった。加えて、実験条件の基礎的検討に予想以上の時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
既に大学院生はFACSを始めとした本実験系の扱いに慣れてきており、研究速度の改善が期待される。
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Causes of Carryover |
基礎的な実験や検討,新規大学院生のトレーニングに時間を要したため,次年度使用額が生じることとなった。今後は,多施設共同研究,データ解析,学会発表,論文化へ向けて進めていく予定である。
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