2019 Fiscal Year Annual Research Report
The assessment of trauma care in Japan using Japanese national administrative database
Project/Area Number |
17K17045
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
遠藤 彰 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教 (00648074)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 外傷 / Acute Care Surgery / DPCデータベース / 救急医学 / 集中治療医学 / 災害医学 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は主に①甲状腺クリーゼ、および②東日本大震災前後の国内の疾病発生頻度や重症度の変化に関してDPCデータを用いて研究を行なった。 ①甲状腺クリーゼは10%以上の致死率である一方比較的稀な疾患であるため、大規模な症例を解析した研究は乏しく、その治療法のほとんどはエキスパートオピニオンや限られた症例数の観察研究に基づき、十分なエビデンスは未だ存在しない。このような疾患ではDPCのような大規模データベースを用いて適切なデザインで統計解析を行うことにより、その領域における因果推論研究として非常に有用なデータを提供することができる。我々は甲状腺クリーゼの治療法の中でも副腎皮質ステロイド治療の有用性について因果推論研究を行った。患者背景や治療介入の内容からステロイド投与の有無で分けた2群の重症度を調整し、生命転帰改善効果および耐糖能異常の出現について検討を行なった。その結果、早期の副腎皮質ステロイドの使用は生命転帰の改善とは関連せず、インスリン使用と有意に関連することが示された。研究結果は現在英文誌で査読中である。 ②大規模災害は心血管系イベントの増加などと関連することが先行研究で示唆されているが、全国規模でかつ長期的にどのような変化が生じるかを示した報告は存在しない。我々はDPCデータから地空間モデルを使用し、急性心筋梗塞やくも膜下出血などの急性かつ致死的疾患の入院数や死亡率の変化は限られるものの、待機可能であったり慢性進行性の疾患の入院患者数は大きく減少し、その死亡率は明らかに高かったことを地図上に時系列変化として示した。これらは大規模災害において限られた医療リソースをどのように使用していたかの時系列変化を示したものであり、今後の災害時医療計画の一助となりうるものと思われる。結果は現在英文誌で査読中である。
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Research Products
(1 results)