2018 Fiscal Year Research-status Report
サイトカインプロファイリングによる敗血症評価;サイトカインバランス是正による戦略
Project/Area Number |
17K17046
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
高三野 淳一 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (70769281)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 敗血症 / 集中治療 / サイトカイン / 血液浄化療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
敗血症による死亡や合併症は、病早期には過剰な炎症反応による臓器障害によるものであり、治療が長期に及ぶ場合には、免疫不全状態に続く日和見感染症の合併により引き起こされる。臓器障害ならびに免疫不全の原因を炎症性サイトカインと抗炎症性サイトカインのバランスの崩壊であると捉え、敗血症の病期毎にサ イトカインの吸着性能の異なる血液浄化器を任意に選択することで、サイトカインバランスの是正を図ることが可能であると考える。これにより敗血症の予後を改善しうると考える。 本年度までにラット敗血症・CHDF治療モデルの手技の習得及びサイトカイン測定のための計測手技の習得を実施した。鎮静鎮痛下に気管切開、人工呼吸器管理としたラットに対し薬剤投与及びサインプル採取のためのカニュレーションを行い、エンドトキシン投与により敗血症ラットモデルを作成し経時的なサンプル採取を行った。また病期毎に血液浄化で吸着の標的とすべきサイトカインを同定するための網羅的解析を現在まで継続している。すなわち投与するエンドトキシン量の調節と、サイトカインバランスの変動を捉えるために最適なサンプル採取の時間間隔を比較検討した。得られたサンプルを半定量アレイにより分析し病期毎に優位となるサイトカインの同定を行なっている。現在までにエンドトキシン投与後の数時間の経過にて早期からいくつかの炎症性サイトカインについて興味深い変動が確認でき、これに続くいくつかの抗炎症性サイトカインの変動を確認した。抗炎症性サイトカインの優位性を十分に再現するためにはより長時間の測定が必要であるが、本年度からはラット麻酔器を導入しセボフルレンによる麻酔を行い安定した測定が可能となった。再現性を証明するには十分なサンプル数とはいえず、引き続きの検討を要する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ラット1匹あたりの少なくとも数時間の実験時間を要し、また侵襲によるデータエラーをきたさないための手技の習得に時間を要した。サンプル採取の頻度もラットへの侵襲をきたすため、1匹から採取できるサンプルに限りがあり、再現性を確認するサンプル数を得るまでに長時間を要している。吸入麻酔薬の導入からは安定したサンプルの採取ができているが、再現性を確認するには検体数は未だ不十分である。当初は本年度までに吸着の標的とするサイトカイン候補の同定を完了する予定であったが現状では至っていない。以上より研究は遅れていると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度には引き続きサンプルの採取を継続し、吸着の標的とすべきサイトカインの同定を可及的速やかに実施する。並行して現在までに判明している候補となりうるサイトカインに対し、吸着性能のことなる血液浄化器を用いてin vitroにてクリアランスを測定する。得られた結果をもとに、ラット敗血症・血液浄化モデルを使用し、実際にサイトカインバランスの是正が達成されるかを確認する予定である。
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Causes of Carryover |
本年度までの実験の主体が、ラット敗血症血液浄化モデルを確立するための手技の習得と得られた検体の網羅的解析であった。特定のサイトカインを定量するために複数のELISAキットの購入を予定し、本年度までの予算のうち多くを占めるものであったが、本年度の購入は一部に限られた。そのため次年度使用額が生じている。次年度に持ち越し複数のELISAキット購入を予定している。
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