2022 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluation of severity of sepsis by cytokine profiling and treatment strategy by correcting cytokine balance.
Project/Area Number |
17K17046
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
高三野 淳一 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (70769281)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 敗血症 / サイトカイン / 血液浄化 / 敗血症モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
敗血症による死亡や合併症は、病早期には過剰な炎症反応による臓器障害により、治療が長期に及ぶ場合には、免疫不全状態に続く日和見感染症の合併により引き起こされる。臓器障害ならびに免疫不全の原因を炎症性サイトカインと抗炎症性サイトカインのバランスの崩壊であると捉え、敗血症の病期毎にサイトカインの吸着性能の異なる血液浄化器に選択することでこのバランスの是正を図り、これにより敗血症の予後を改善しうると考えている。 初年度にラット敗血症・CHDF治療モデルの手技の習得及びサイトカイン測定のための計測手技を習得した。鎮静鎮痛下に気管切開、人工呼吸器管理としたラットに対し薬剤投与及びサンプル採取のためのカニュレーションを行い、エンドトキシン投与により敗血症ラットモデルを作成し経時的なサンプル採取を行った。次年度より病期毎に血液浄化で吸着の標的とすべきサイトカインを同定するための網羅的解析を現在まで継続している。すなわち投与するエンドトキシン量およびサイトカインバランスの変動を捉えるために最適なサンプル採取の時間間隔を比較検討し、得られたサンプルは網羅的に解析し病期毎に優位となるサイトカインの同定を行なっている。現在までにエンドトキシン投与後の数時間の経過にて早期からいくつかの炎症性サイトカインについて興味深い変動が確認でき、いくつかの抗炎症性サイトカインの変動を確認したが、これまでの検討から、抗炎症性サイトカインの優位性が認められる病期の再現には数日単位での「安定した」敗血症状態のモデルが必要であることが示唆された。そのため循環不全や呼吸不全を制御しながらも感染を完全には制御できていない「敗血症集中治療ラットモデル」を確立した。 令和2年度以降は新型コロナウイルス肺炎の影響があり実験に大きく遅延が生じた。令和4年度以降に実験予定に目処が立ち、現在も解析を行なっている。
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