2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K17051
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
久保 貴嗣 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教員 (30791660)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 気道熱傷 / 呼吸理学療法 / 呼吸抵抗 |
Outline of Annual Research Achievements |
気道熱傷患者は呼吸器合併症が発症する確率が高く,死亡率も高くなる事は知られている.気道熱傷患者への呼吸理学療法を推奨する報告は散見されるが有効性について示した報告は少ない.本研究の目的は気道熱傷患者に対する呼吸理学療法の効果について①呼吸メカニクスかたみた呼吸理学療法の短期的効果,②短期的な効果と長期予後との関連性の2点について明らかにすることである. 研究は当院に入院加療を要した気道熱傷患者に対し呼吸理学療法を行った患者への短期的効果を検証する為,当院の重症患者管理システム(PIMS システム:フィリップス社製)を用い呼吸理学療法前後の血圧,心拍数,SpO2,人工呼吸器から得られる一回換気量,分時換気量,呼吸数,コンプライアンス,気道内圧を測定した.また,挿管・人工呼吸器を離脱した患者,人工呼吸器装着しなかった症例へは咳嗽力(Peak Flow),最長発声持続時間(MPT:maximum phonation time),スパイロメーターによる肺機能,モストグラフ(気道抵抗測定)の測定を行った.また,長期的効果として呼吸器合併症の発症率,ADL獲得についても調査を行った.研究開始から現時点(2年間)において当院に入院した気道熱傷患者19名を対象としたが,測定困難等の理由から除外する症例もあり10例程度となった. 本研究で重要視したのはモストグラフによる気道抵抗測定で,気道熱傷受傷後に咽頭部の腫脹が治まり抜管直後に測定出来た症例だけでなく,受傷後挿管に至らなかった症例で受傷直後のデータを採取する事ができ,経時的変化について観察する事ができた.気道熱傷患者への呼吸抵抗を測定した報告はなく今回測定できたデータは大変貴重と考える.しかし,現在症例数が少ないため今後も更なる対象がいれば積極的にデータ収集を行い検討していく.また,これまでのデータの整理を行い論文作成,発表を行っていく.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね測定は出来ているが,毎年の傾向から見積もった症例数に比べこの2年間の症例数が少なかった事も影響し全体的人数が少なくなってしまった.また,気道熱傷には顔面熱傷や全身熱傷が加わる事も多く抜管まで至らない症例,認知症により理解が得られずデータを取得出来ない症例,気管切開となり抜管直のデータ測定が出来ない症例,顔面熱傷により口唇部部の変形により抜管後にマウスピースを咥える事が出来ずデータ測定が出来ない症例が存在し,研究から除外したため計画した人数に比べ少なくなってしまった.
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Strategy for Future Research Activity |
今後一年も入院した患者については積極的にデータを取り込み計画を遂行出来る様にしたい.また,これまで得たデータを解析し論文,学会発表を行っていきたい.
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Causes of Carryover |
今年度はデータ測定の為の物品請求が少なくなった事による繰り越しとなった.来年度も継続したデータ収集を行うため,必要物品請求,論文の作成時の校正に使用していく.
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