2019 Fiscal Year Annual Research Report
Role of programmed necrosis in ARDS and the following remote organ injury
Project/Area Number |
17K17062
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
東條 健太郎 横浜市立大学, 医学部, 講師 (80737552)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ARDS / 細胞死 / ネクロプトーシス |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに,LPS誘導性ARDSモデルの肺胞上皮細胞死は主にネクローシスによって生じること,またネクロプトーシスが関与している可能性を明らかにしていた.最終年度には肺胞上皮細胞株を用いた培養細胞系を用いて,好中球+LPSによる傷害モデルを構築し,そのモデルにおいてもネクローシス主体の肺胞上皮細胞死が生じること,及びRIPK1およびMLKLの阻害剤によりその細胞死が抑制されることからネクロプトーシスが寄与している可能性があることを明らかにした.また,LPS誘導性ARDSモデルマウスに対する高容量換気による人工呼吸が,肺胞上皮細胞の細胞死を増悪させ,その細胞死の機構はネクローシスが主体であることを明らかにした.さらに,高容量換気は肺組織中においてネクロプトーシスに関わるRIPK3,MLKLタンパク量を増加させることを示すことができた.一方で,高容量換気群では肝障害,腎障害が増悪する傾向がみられたが,血行動態の影響も疑われたことから,高容量換気がネクロプトーシスを引き起こすことで遠隔臓器障害を引き起こすかどうかについては結論を得ることができなかった. 本研究の目的はARDSモデル動物における肺胞上皮細胞死にネクローシス,(1)アポトーシスそれぞれがどの程度寄与しているのかを明らかにすること,(2)どのようなタイプのプログラムされたネクローシスが関与しているのかを明らかにすること,さらに(3)肺胞上皮細胞死の遠隔臓器障害への影響を明らかにすることであった.研究全体を通して,ARDSにおける肺胞上皮細胞死は主にネクローシスによって生じ,さらにネクロプトーシスが関与していることが示された.肺胞上皮細胞のネクロプトーシスが遠隔臓器障害に与える影響についてはさらなる検討が必要だと考えられた.
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